2015/01/30

【北陸地整】除雪に情報化施工活用する実証実験開始 課題は導入コスト

北陸地方整備局北陸技術事務所は、情報化施工技術を活用したロータリ除雪車支援(ガイダンス)装置について、近くガイダンスプログラムを確立し、2月中旬から実証実験を始めることを明らかにした。そこで一定の成果が得られれば、2015年度の実用化に向けて大きく前進することになりそうだ。画像は運転席とガイド操作画面。
 北技は、13年度から同装置の開発に着手。自車の位置を正確に把握するための測位技術として、RTK-GNSS(リアルタイムキネマティック・衛星測位システム)のVSR(仮想基準点方式)を取り入れることから、試作段階では土木工事用の情報化施工用端末(10.4インチモニターにGNSS用受信機内蔵)を転用し、その有効性を検証してきた。
 14年1月に実施した動作検証実験では、目標とする縁石と除雪装置との距離10cm以内をクリア。投雪禁止位置までの距離とともに実用上十分な精度を確保した。さらに、同1月下旬から3月上旬の現場検証実験でも優れた働きをみせ、除雪作業に対応可能なシステムであることを証明した。
 ただ、ロータリー除雪車専用のガイダンス装置ではないため、除雪作業に不要な機能も少なくなく、「何より導入(設置)コストが高く、普及への妨げとなってしまう」(今野和則同事務所長)ことを危ぐし、14年度から除雪作業に最低限必要なプログラムを組み込んだ専用ガイダンス装置の製作に取り組んでいる。
 同装置の仕組みは、車道除雪の堆雪帯である路肩の拡幅除雪を前提とし、降雪前に拡幅除雪区間をVRS測量機器を使って、計測車両でなぞり運転する。合わせて、実測(人力)による路側計測で縁石などの情報を集める。それらデータと投雪禁止個所をガイダンスに入力し、当該拡幅除雪区間のマシンガイダンスを構築する。
 今回の実証実験は、「新たに開発した専用装置の性能確認を優先したい」 (同)考えから、 実測による道路データのみで対応するとみられる。
 会場は、国道18号道の駅あらい付近(新潟県妙高市)を想定。昨年の現場検証試験も同じ場所で実施したが、対象区間が1.1㎞と比較的短かったため、VRSによる事前のなぞり運転は行わず、トータルステーションで実測した。
 技術開発検討業務はアルゴスが担当している。
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