東北建設業青年会(今俊順会長)は、会員企業の建設技術者にスポットを当てたPR冊子『技術者物語』の読者アンケート結果をまとめた。冊子を読むことで「建設技術者の仕事が理解できた」「建設技術者の仕事に興味を持った」との回答が大半を占めたほか、建設技術者に対するイメージは「やりがいがある」「誇りが持てる」といった肯定的な意見が多く、就職先としても大いに魅力を感じていることが分かった。人口減少および高齢化に伴い、多くの産業で若年層の確保・育成が課題となっている中、こうした冊子の発刊が建設業界に興味を持ってもらう1つのきっかけになりそうだ。
『技術者物語』は、各地域で地元建設業が果たしている役割の大きさや重要性を伝えるとともに、建設技術の継承・伝承の必要性を理解してもらおうと、2012年度に創刊。地元建設企業に従事し、現場の第一線で活躍している技術者の思いをさまざまなエピソードを交えて物語風に紹介している。
今回のアンケートは、14年3月に1万部を発刊したVol・2について、読者に感想や建設技術者のイメージ、建設産業への入職希望などを尋ねた。
回答数は2333件。各県青年会(部)が工業系高校や大学、専門学校を中心に冊子を配布したこともあり、全体の86.7%に当たる2023人が学生だった。このほか、会社員(234人)や公務員(54人)などからも回答が寄せられた。
冊子を読んだ感想は「おもしろい」(34.7%)と「ややおもしろい」(35.6%)を合わせると、全体の7割以上を占めた。
建設技術者の仕事への理解は「できた」(28.1%)と「少しできた」(55.3%)の両回答で8割を超えた。建設技術者への興味も「持てた」(39.6%)、「少し持てた」(39.8%)となった。
また、建設技術者の仕事に対するイメージ(複数回答)は、「やりがいがある」(1532件)が最も多く、次いで「技術力が必要」(1391件)、「誇りが持てる」(854件)、「地域を守る仕事」(640件)などと続いた。
「危険な仕事」(450件)や「きつくて大変」(418件)といった意見も一部にあったが、全体的にはプラスイメージの回答が圧倒的に多かった。
学生の建設産業への就職希望は「思う」(46.5%)と「まだ分からない」(45.6%)がほぼ同じ割合。「思わない」(7.9%)は1桁台にとどまった。
記述回答では、建設技術者に対して「年間の休日は何日か」「女子にできる仕事はあるか」「資格をどのくらい持っているか」などの質問があった。
このほか、「自分の進路を考える上で役に立った」「女性技術者の話も聞きたいと思った」「自分も『技術者物語』に載るような技術者になりたい」といった前向きな意見が寄せられた。
同青年会では現在、『技術者物語Vol・3』の今春発刊を目指し、鋭意作業を進めている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
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