東京都は災害時の安定的な電源確保策の一環として、都庁舎の電力供給を多重化する。3月に発生した東日本大震災や福島原発の事故による電力需給の不安定化を受けて、分散型電源の導入で事業継続を図る。
都庁舎に熱供給を行っている東京ガスの子会社が運営する地域冷暖房施設から電力供給を受けることで、現在の供給先である東京電力だけに頼らない電力供給体制を構築する。すでに都、東京ガス、東京電力の関係者間で協議に入っており、協議が整い次第、都は庁舎内の受電設備の改修に向けて設計に入る。2012年度中に地域冷暖房施設からの受電を開始する。
現在、都庁舎(新宿区西新宿)の電力供給は東京電力のみに頼っている形だが、都庁舎の冷暖房の熱供給を行っている地域冷暖房センターのガスタービンによる電力を東京電力からの電力と合わせて供給を受け、電力の多重化を図る。さらに約1000時間は稼働可能な非常用発電設備の導入などと併せて、二重、三重のバックアップ体制を構築していく。
電力多重化には、電気事業法などの法規制や電力供給にかかる設備の改修などの課題があるが、都はすでに地域冷暖房施設から地域熱の供給を受けているため、送電を受けるため地下管路など、十分な素地は備えている状況。
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