2011/10/18

町工場の技術でお寺の「本尊」を守る!/川崎の寺院に長周期免震テーブル納入

免震テーブルへの本尊設置
 町工場の技術力を集結した日本初の「長周期地震対応免震テーブル」が、お寺のご本尊を守る。川崎市内にある中小企業6社で構成する「チーム等々力」(代表・堀端製作所)と明大理工学部の研究室が共同開発した、免震テーブルが17日、川崎区にある円能院に設置された。
 免震テーブルは、チーム等々力と明大大亦絢一郎教授(当時)が川崎市産学共同研究開発プロジェクトなどを活用して開発した。これまでに電気通信大学に納入した実績があるが、市内への設置は今回が初めてだという。
 円能院への設置は、当初開発したテーブル(MT-II型)を改良。装置は本尊と灯籠(とうろう)2カ所の計3カ所に設置した。本尊下のテーブルは約80㌔、灯籠下は約60㌔の重量がある。ともに耐重量は約100㌔で、前後左右、斜めに25cmスライドして、設置物の倒壊を防ぐ。
 テーブルの設置作業は午前10時から始まり、本尊の下には1100×900mm、2本の灯籠の下には800×800mmのテーブルを設置した。堀場製作所などの関係者が手作業で実施し、おおむね2時間で完了させた。
 円能院の佐藤隆一住職は、東日本大震災での揺れを目の当たりにし、免震テーブルの設置を決断した。設置後、「装置も木枠で覆われて違和感がない。あれだけ動けば大丈夫。安心しました」と安堵の表情だった。

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