2011/10/05

つながりを生む開放された家/佐々木龍郎氏の「小さく住んで大きく暮らす」

 佐々木龍郎氏の展示作品『小さく住んで大きく暮らす』が完成した。現代アートの国際展、ヨコハマトリエンナーレ2011の特別連携プログラム『新・港村~小さな未来都市』で建築設計部門の展示作品に選ばれたものだ。佐々木龍郎氏は、この作品で人の活動と一体となって住宅を開放し、「まちのつながり」を生み出そうと試みている。展示作品は主催者のBankART1929が公募した。
 『郊外の住宅地』という課題に対し、佐々木氏は「中途半端なサイズの敷地の真ん中に中途半端な住宅が建てられている中途半端な集まり」と捉え、「耐震性やプライバシーの問題などによって開口部が少なく外に開いていない。住人が積極的に外に出てコミュニティーに参加しないと、まちのつながりが生まれない」と問題提起する。
 そこで「人の活動と一体となった開き方を喚起する建築を目指した。大人2人が最低限暮らせるコアに機能を絞り、大きく暮らそうということをコンセプトにした」という。
 居住空間を2階に上げ、1階は「個人がパブリックに公開できるスペース」とした。人々の活動する自由度を高めるため、ブレースを使わず柱で構成。プライバシーを確保しながら、「まちのつながり」の活発化を試みた。さらに「住み手の力を信じ、建物は“半完成品”にした。住まわせる家ではなく、自らの住み方をつくる家にしたかった」と。
 同作品は11月6日まで新港ピア(横浜市中区新港2-5)で展示される。

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