2011/10/18

今回は「グローブ」でエコ建築を実現/伊東豊雄氏の基本設計まとまる/岐阜市のつかさのまち夢プロジェクト

伊東事務所が製作したプロジェクト模型
 岐阜市で伊東豊雄氏が設計している「つかさのまち夢プロジェクト」第1期複合施設の基本設計がまとまった。この建築では、「グローブ」と呼ぶ巨大な半球状の空調採光設備で、自然換気と自然光の取り込みを行うアイデアが特徴だ。柔らかく起伏するシェル構造の木造屋根は、細い鉄骨の柱で軽快に支えられ、薄い木材を層状に重ねて編むことでファブリックのように軽やかな架構をつくりだす。また、閉架式の書庫をあえて1階中央に配置する大胆なレイアウトも目を引く。
 今後は2012年3月末までに実施設計を完了させる予定だ。順調にいけば12年度の着工、13年度での完成を目指す。
 このプロジェクトは、岐阜市が岐阜大医学部等跡地整備事業として進めているもの。“知の拠点”の役割を担う(仮称)中央図書館、“絆の拠点”となる(仮称)市民活動交流センターと“文化の拠点”となる展示ギャラリーなどの複合機能を、自然エネルギーを最大限に活用したエコ建築で実現する。
 規模はRC・S・木造地下1階地上2階建て延べ約1万5400㎡。1階から2階の床まではRC造とし、2階の床は梁のないフラットスラブ構造とすることで、1階を天井の高い開放的な空間にする。
 「グローブ」は、上部に向けて徐々に絞れた形(ベルマウス構造)が換気量を増幅させ、自然換気量が3割増加するという。
 1階には、協働の広場や各種スタジオ、交流・談話サロンなどの市民活動交流センターエリアと、オープンギャラリーや多目的ホール(200席程度)、展示室などの展示ギャラリー等エリア、本の蔵(公開書庫・閉架書庫)などの図書館エリアを配置する。
 2階はすべて図書館エリアとして活用。各機能がグローブと書架によって規定された伸びやかでフレキシブルな空間となる。所蔵可能資料数は合計90万冊(開館当初30万冊)。座席数は合計910席を計画している。
 建設地は市中心部に位置する司町40-1ほかの約2ha。

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