2011/10/14

覆面記者座談会・コンサルの海外展開 活発化の様相

A このところ建設コンサルタントの海外展開が話題になっているね。
B ACKグループとその子会社オリエンタルコンサルタンツ、持ち株会社パシフィックコンサルタンツグループの3社が海外の民間市場開拓で業務提携をした。提携自体は珍しくないが、そのために共同出資会社を来春、新設することに本気度を示している。国内でも民間市場は容易でないけど、海外だとさらにハードルが高い。国内市場の縮小を考えると、それでも挑戦しなければいけないところまで追い込まれているといえる。12日に3社のトップが記者会見を開き、それぞれの思いを語った。ただ、新会社の資本金や出資比率など新しいことは何も出てこなくて少しがっかりしたけど。
A JR東日本(東日本旅客鉄道)を中心とする鉄道7社は、11月1日に海外鉄道事業のコンサルティング会社を設立する。「日本コンサルタンツ」という壮大な社名に、意気込みが感じられるが。
C 鉄道事業の発注対象は、車両や信号といった単品から、運営・維持を含む鉄道システム全体へと広がりを見せている。新会社は鉄道運営者としてノウハウを集約し、発注者・受注者双方に対する一連の支援業務を展開していくという。海外事業の検討業務などは、海外鉄道技術協力協会(JARTS)が中心的な役割を担ってきたが、新会社はJARTSの活動を鉄道に特化したものに発展させ、機動性も高める狙いがあるようだ。JR東日本の清野智社長は会見で、ゆくゆくは欧州の大手鉄道コンサル並みに成長させていければとも言っていた。鉄道分野では、相手国に日本規格を採用してもらえるかが、大きな課題。技術面は世界トップクラスを自認しているが、具体的に何がどう優れているか効果的にPRしていく必要がある。

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