2011/10/14

登録基幹技能者の処遇改善/50歳年収650万以上目指す/電設協

 日本電設工業協会(林喬会長)は、登録基幹技能者の処遇改善に乗り出す。「基幹技能者の資格者を対象に、仕組み(案)をまとめた。電気技能者(電工)の目標年収として、50歳で現行の平均年収を50万円上積みし、650万円以上を目指すとした。13日、名古屋市で開いた2011年度会員大会で人材委員会(委員長・菅沼敬行住友電設社長)の原洋二副委員長が基調報告し、大手会員企業から具体的な仕組み作りに着手してもらうことを提案した。すでに数社が検討に入っているという。
 会員大会で電設協は、各社が処遇改善の具体的な方法の検討を進める上で参考となる一つのモデルとして、ワーキンググループが検討した職務手当て形式による支給の仕組みを明らかにした。
 例えば、施主の要望、現場の状況などにより現場に基幹技能者(上級職長)が必要とされる場合に適用し、会員企業は自社の協力会社、基本的に工事を発注する1次下請会社に基幹技能者の職務内容を書面に明記し、現場配置を要請する。配置予定の基幹技能者の人選は、会員企業と協力会社が協議し、双方の合意の下で決める。
 基幹技能者の手当ては、職務内容を踏まえ、会員企業と協力会社が協議して決め、基幹技能者の手当ては工事請負代金労務費の一部として会員会社が協力会社に支払う。会員企業は、工事発注書に基幹技能者の手当て相当額を明記し、協力会社は工事見積書に職務内容と金額を明記する。
 検討ワーキンググループが委員会社6社の施工部門を対象にヒアリングした結果、「配置技術者の人数を減らすなど技術者の人件費が少なく抑えられた」「工程、資材、安全などの管理が行き届き手直し工事が少なくなった」など、「配置による好結果が実証されており、処遇改善の意義、十分な効果が認められた」(電設協)という。

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