現在の京都会館 |
委員は京都工芸繊維大工芸科学研究科の石田潤一郎教授、中川理教授、新国立劇場運営財団の伊藤久幸技術部長、衛藤照夫京都府建築士会長、武庫川女子大生活環境学部建築学科の岡崎甚幸教授、岡崎自治連合会の澤邉吉信会長、日本建築家協会近畿支部京都会の道家駿太郎会長、橋本功前川建築設計事務所所長の8人で、委員長には、岡崎甚幸教授を選出した。
委員会で橋本氏は「建物は使用されてこそ価値がある。第1ホールの建て替えにより新しい地平が生まれる」と再整備に理解を示した。「前川の設計は外観だけでなく、内部空間や素材にも特徴がある。ぜひ、前川イズムを継承してほしい」と要望した。中川氏も「京都会館の魅力は中庭にあり、どう残していくかが課題だ」と述べた。
また建物高さについて道家氏は「市の新景観条例で建設地は高さ15mに規制されているが、市がまとめた同会館基本計画では、最高高さ31m(現行27・5m)に引き上げることが示されている。景観に配慮し、デザインを検討する必要がある」と指摘した。
同会館は、1960年に完成した。日本建築学会賞、BCS(建築業協会)賞など数々の賞を受賞したほか、近代建築の保存活動などを展開しているDOCOMOMO Japanが「日本のモダニズム100選」にも選出。同会館の再整備を巡っては、日本建築学会が3月に保存要望書を市に提出している。
一方で、同会館は老朽化が進み、オペラやロック音楽など機材が大型化する興行には対応できないため、市は再整備することにした。実施設計と施工を一括発注するデザインビルド(DB)を採用、第1ホールを建て替え、2000席程度を設けるほか、第2ホール・会議室棟を改修する。12年度以降に第1ホール解体と埋蔵文化財調査、実施設計、工事を行う予定だ。
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