第2四半期で製造業の本格復旧などで 受注を伸ばす企業も出てくるかもしれない |
B 国土交通省の建設工事受注動態統計調査報告では、4-9月期の受注額が前年同期比で6・7%増だった。減少を続けていた受注額が、震災発生後の4月から8月まで5カ月連続して前年同月比で増加した。震災以降、復旧工事などの影響で建設業の受注は伸びたと言える。ただ、9月単月は、前年同月比9・3%の減少だった。国交省は、震災の復旧工事が一段落したとの見方を示している。
C でも、前払保証3社の公共工事保証統計では、4-9月累計の請負金額が前年同期比6・3%減と落ち込んでいるよ。単月で見ると、請負金額は4-7月まで減少が続き、その後、8、9月と連続で増加した。受注動態と逆の動きだ。
B この違いは、保証3社の統計が公共工事だけであることが影響しているのだろう。受注動態では、国の発注については「一段落」と言えるけど、地方機関の発注は逆に5、6月が減少したものの、7月から3カ月連続で増加し、3保証の統計とほぼ同じ動きを示している。国が一段落の一方で、地方自治体は本格化したと言える。民間からの受注は、9月単月は減だったが、4-8月は連続して増加しており、上半期は堅調だったと言えるだろう。
C 3保証の上半期が前年度比減となったように、地方自治体については11年度当初予算の5%執行留保が大きく影響している。都道府県別では、37都道府県が減少しており、執行留保の解除がこれから上向きの要因になるだろう。
B 上半期の全体の受注高水準は、85年度の調査開始以降、上半期として下から2番目という状態で、「昨年よりは良いが、低い水準に変わりない」という感じだ。国の9月単月の減少は、第3次補正予算の遅れが影響していると思う。第1次補正予算後すぐに大型補正予算を組んでいれば、今回の「一段落」は避けられたのではないか。第3次補正予算の執行が本格化する年明けくらいまでは、国からの受注は9月の状態が続くかも知れない。
A では、企業の中間決算はどういう状況かな。
D 上場会社では12年3月期第2四半期の決算発表が始まった。建設会社のピークは24社が一斉に公表する11日。大手・準大手クラスがすべて出そろう。そういえば発表前に業績予想を修正する動きが出ているようだけど。
E 上場大手では清水建設を除く3社が、準大手でも数社が発表済み。売上高予想の増減は手持ち工事の進捗状況に応じて各社の事情は異なるが、利益についてはおおむね採算向上の傾向がある。ただ、経常利益ベースでは為替差損が影響し、中にはマイナスに転じる社もある。
A 受注状況はどうか。
D 第1四半期時点では、大手・準大手26社中18社が前年同期実績を上回り、受注総額は27・2%増となった。リーマンショック以前の水準にはとどかないが、各社からは「底を打った」との見方が広がった。おそらく受注増の傾向は、今後色濃くなるだろう。
E 第1四半期では限定的だった震災復興関連受注が、徐々に数字として出てくる可能性もある。製造業の本格復旧に加え、原子力発電の代替エネルギー確保などの工事需要があり、一気に受注高を伸ばす企業も出てきそうだ。
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