2011/11/16

「超臨界CO2」で有機用フィルターを洗浄・再生/ダイダンが開発

国内最大級の大型装置を製作
 ダイダンは、エアフィルター再生技術を実用化した。ナノ(1ナノは10億分の1)サイズのすき間に入り込んで汚れを溶解する超臨界状態の二酸化炭素を使うため、いままで捨てざるを得なかった使用済みの有機用フィルターを回収、洗剤などを使わずに汚れを落とす。新品の約70%の価格で再生できるという。有機用フィルターの再生・再利用は世界でも初めて。今後、対象を拡大し、500億-600億円と言われる新品のフィルター、活性炭市場のうち、洗浄できるもののシェア10%、事業開始5年後の売上高は2億5000万円を目標にしている。
 超臨界CO2は、セ氏31度以上、圧力73気圧以上のCO2で、気体並みの高い流動性・浸透性と、液体並みの強い溶解力を持っている。コーヒー豆の中のカフェイン抽出や、香水の成分といった植物中の有効成分抽出など、有機物の抽出分野で実用化されている。
 コスト面が課題だったが、同社はこの間、国内最大級の大型装置を製作し、一度に複数の有機用フィルターを洗浄できるようにするとともに、装置の運転方法を研究し、洗浄時間の短縮やエネルギー使用量を削減することで再生コストを抑えることに成功した。
 すでに、複数の電子デバイス製造ラインに工程の有機ガス汚染対策として使っている有機用フィルターとして採用されている。
 電子デバイス製造工場などの厳密な洗浄環境が要求される建物は、空気中の有機物を除去するために有機用フィルターが使われるが、洗浄する方法がなく、寿命を迎えた後は廃棄されていた。

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