BIMソフト『Revit』のユーザー会開催に合わせて来日したオートデスクのシニアディレクター、ニコラス・マンゴンさんにインタビューした。
「日本のユーザーは熱意があり、緊密に連携して要求をまとめ、BIMの普及に取り組んでいる」と感謝する。
ただ、日本の業界全体では、米国で6、7割の企業がBIMを活用しているのに比べると動きが遅い。従来の作図を変えることに抵抗もあるが、「そこを変えれば図面の外の世界が一変する」と説く。中堅層への普及に努めるとともに、中小企業向けに簡易版ツールを提供していく考えだ。
海外では、政府が普及を後押ししている。シンガポールは建築確認の自動化でBIMデータを受け付けており、「2、3年後には義務化もあり得る」と予想する。公共工事でも「英国や中国がBIMベースの成果品を求める予定で、フランスも検討を始めた。BIMなしの入札参加は厳しくなっていく」という。
一方、国内の震災復興にも貢献できるという。地形をモデル化し、津波・洪水のシミュレーションや掘削土砂の把握が可能な『Civil 3D』と『Revit』を組み合わせ、「構造物や橋梁を周辺への影響を見ながら設計でき、意思決定を早める」と話す。
今後は、「施工、維持管理段階のBIM活用が焦点になる」。Revitと部材製造の連携も強化する。「オーナー、エンジニア、メーカーが必要に駆られてBIMの設計を求めるだろう」と見通す。
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