戸田建設は、自社プラント製造のBDF(バイオディーゼル燃料)を建設現場で使用して得るCO2排出削減量の排出枠を取得した。環境省のJ-VER制度認定を受け、年間15tを獲得。すでに本社ビル運用のCO2削減で東京都環境条例に伴う排出枠取得と、グリーン電力購入による排出権購入を行っており、合計800t強の排出枠がある。同社は顧客への提供など受注時に積極活用する方針だ。
排出枠として認められたBDFは2010年度に東京、千葉、埼玉の現場で使われた1万3000リットル中の約5800リットルで、CO2排出枠換算にして年15t。獲得期間は8年間で計120tに達する。発電機やコンプレッサーを動かす燃料として使われた分が認められた。廃食用油の発生量や品質の確認、輸送手段など総合的に加味され、全製造量の3割程度が排出枠の対象となったという。
建設業ではJ-VER制度を使って排出枠認定を取得する動きはあるものの、同社のように複数の現場で使ったBDF使用を認められたケースはなく、しかも千葉県松戸市とNPO法人アウルの会による3者共同事業としてプロジェクトが進行している点も特筆できる。
同社は本社ビル運用のCO2削減で得た排出枠534tを取得しているほか、10年度から継続して購入している年間100万kW分の排出枠約272tを獲得し、BDF活用と合わせて800tを超えるクレジット活用の権利を持っており、国内に限定して権利を活用する方針だ。
東京都内の1300を超える大型事業所では基準年度比6~8%減の削減義務が15年度から17%以上に引き上げられる。同社環境事業推進室は「受注時に顧客へのクレジット提供が効果を出す」と分析、現在保有する800t強の排出枠では「中小規模のビルで10棟分程度の削減義務CO2排出量に換算できる」としている。
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