2011/11/04

大成建設が施工管理にiPhoneを本格活用へ

 大成建設が、iPhoneを現場の施工管理ツールとして本格導入する。自社で携帯端末用アプリ「FieldPad」を開発、現場内に図面データを持ち込んで写真やコメントなどの情報を編集、工事記録を帳票として書類化する。年内に有料ダウンロードも始め、社内へ本格導入する。
 アプリは、iPhoneとiPad向けに開発、データベースに蓄積された各現場の設計図面類を端末にダウンロードするだけで、現場に居ながら必要な図面を確認できる。動画の添付も可能で、施工管理や工事監理の記録ツールとして利用できる。
 大成建設は三菱商事のASPサービス「建設サイト・シリーズ」(利用者1万3000社以上)を使って、協力会社約5500社との情報共有データベース「作業所Net」を運用している。現場の図面データは月間50万枚以上が共有されており、アプリは建設サイトの利用者に限定して提供し、図面データの有効活用を促進させる。
 図面に指定した写真類の情報を定形の記録書類にまとめ、指定したパソコンにデータを送信する帳票機能「伝票@Tovas」(提供・コクヨS&T)を活用すれば、「写真整理などの事務処理時間を大幅に軽減できる」という。
 ことし春から首都圏4現場での検証を終え、現在はシステムの最終調整を行っている。年内にダウンロード開始を予定しているアプリの価格は1500円。これとは別に建設サイト利用料として初回のみ1500円が必要。帳票機能も含めフル機能の利用料は5000円前後になる見通し。初年度は社員や協力会社など全体で最低500ダウンロードを目標に設定としている。

Related Posts:

  • 連載・GSAのBIMマネジメント(1) 米国連邦調達庁(GSA) 米国GSA本部 米国最大級の公共発注者である米国連邦調達庁(GSA)は、2003年にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用の基本方針である「GSA 3D-4D BIMプログラム」を発表した。以降、米国ではBIMの普及が本格的に進み、マクグロウヒル社の調査では09年段階で建築設計者の58%、施工者の49%、発注者の37%がBIMを使用している状況となっている。一方、日本では担当者単独の取り組みから、相互協力する段階に移りつ… Read More
  • 【連載・GSAのBIMマネジメント(6)】事業進行へ情報“デリバリー" BIMはコラボレーションを促進する強力なツールである。協力体制の基本は、発注者-設計者-施工者の契約方式で規定されるが、これを英語では情報を受け渡し(delivery)してプロジェクトを進めていくという行為に着目し、プロジェクトデリバリー手法と呼ぶ。日本では設計・施工分離方式が公共工事でもっぱら採用されているが、米国では主に4つの方式が使い分けられている。  古くからある設計・施工分離方式の特徴は、設計者と施工者の役割が明確に分離され、利益相… Read More
  • 【連載・GSAのBIMマネジメント(最終回)】BIMには“見える化"する力 National BIM スタンダードの構成図 BIMは、これまでの建設業界の仕組みに変革を求めるテクノロジーである。BIMには3Dによる設計内容の可視化、建築と設備の干渉チェック、コスト検証、コラボレーション向上、フロントローディング(業務前倒し)、ファストトラック(作業工程の迅速化)などのさまざまな効果があるが、旧来の制度のまま導入しようとするとたちまち限界にぶつかる。「協力体制が不明瞭」「コストが不透明」「基準・ルールが未整備」の3つ… Read More
  • 【連載・GSAのBIMマネジメント(8)】望む時に望む場所で即座に FMとBIMを結びつけるEcoDomus 建物オーナーがBIMに期待するのは、3Dによる設計内容の可視化もあろうが、ファシリティマネジメントをBIMでどのように効率化できるかが最も大きい関心事であろう。建物が企画されてから解体処分されるまで必要とされるライフサイクルコストのうち、施設整備のコストは氷山の一角で、大部分は維持管理や運用に費やされる。  仕上げの種類や機器の能力といった建物の部品の属性情報が含まれたBIMモデルは、建物のデータ… Read More
  • 連載・GSAのBIMマネジメント(4)「実施計画」で境界を明確に BIMはコラボレーションを強力に推し進めるツールである。それだけにいままでと違った他者との関わり方が新たに必要となり、新たに発生する作業をどのように分担すればよいかが悩みの種となる。設計段階の検討レベルや図面の精度が低いため、設計段階から引き渡されたデータを施工段階で再活用できないというのは、日本の施工者からよく聞く話である。 米国では何事においても各自の仕事の作業領域を明確にすることから始める文化がある。各自のミッションを明らかにし、仕事に… Read More

0 コメント :

コメントを投稿