東京都渋谷区の「GA gallery」は、「アジアでのプロジェクト」と「時間とともに成長する建築」の2つをテーマに「安藤忠雄建築展」を開いている=写真。
安藤氏が海外での仕事を始めたのが欧米を中心とする1990年代だが、2000年代に中国などアジアに集中。安藤氏は「アジアであるがゆえに共通部分も多いが、差異がより意識される。その文脈を理解して建築を造るのは骨が折れるが、私なりに『場所と建築の対話』を考え取り組んでいる」としている。「成長する建築」は、建物の完成が建築のもう一つの始まりとの考え方を紹介している。会期は6日まで。
アジアのプロジェクトでは、「上海保利大劇場」「半山半島美術館+演芸センター」(中国・海南島)、「北京国子監ホテル+美術館」「ハンソル・ミュージアム」(韓国北東部)を模型と写真などで紹介。上海保利大劇場は、人工湖に浮かぶオペラハウスを含む文化複合施設。オペラハウスは100×100×30mの矩形ボリュームを直径18mの円筒状ボイドが貫く。都市の激しさを建物の外形ではなく、内部空間に封じ込めた。躍動するアジアの圧倒的なエネルギーに対峙しながら場所との対話で文脈を考えている。
時間とともに成長する建築は、10年後、20年後の未来を考えながら完成後も手を掛け見守っていけば、時を経ることで建築はより美しく力強く成長することができる、として、「直島での一連のプロジェクト」、ドイツ・フランクフルト郊外の小さな美術館「ストーン スカルプチャー ミュージアム」を紹介している。建築の「いのち」に対する考え方が安藤氏の建築観の根幹にあるという。
東京を中心にした9件の安藤建築を回るスタンプラリーも企画した。
入場料は500円。開館時間は正午から午後6時30分まで。
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