前田建設グループのJM(本社・東京都千代田区、大竹弘孝社長)は、都市空間の3次元モデル作成事業を強化する。測定距離5000㎞以上では「1㎞1万円」の低コストでモデル作成が可能になり、自治体を中心に提案を本格化する。
同社は、4方向撮影が可能な計測車両を使って5-20m間隔で360度の点群データを取得後、道路周辺の現況を3次元座標に落とし込む。同社が開発した「Matabee-3Dm」では、関係者がインターネットを通じて詳細な都市モデルを共有できるため、構造物の広域管理が必要な公共機関などではエリアマネジメントへの展開に生かせる。
大竹社長は「スマートシティを始め都市や街区規模によるタウンマネジメントの流れが拡大する中で、3次元の空間データは利用価値が高く、今後ますます重要になってくる。システムの引き合いは増えており、都市空間の3次元モデル化を新たな活動領域として位置付けていく」と強調する。
すでに静岡県内では、県道の改築事業に伴う事前検討の有効な手法として評価されている。抽出した3次元モデルを住民説明会に活用する動きがあるほか、商店街のプラン検討で現況モデルに計画案(3次元モデル)を重ね合わせる活用事例もある。
例えば道路台帳を3次元データに変換できれば、維持管理ツールとしても活用できる。同社は、GIS(地理情報システム)の保管システムとしても利用価値を見いだしており、「上からの視点のGISに3次元の都市モデルを組み合わせれば、新たな使い方も考えられる」(齋藤彰常務執行役員)としている。
3次元モデル策定費用はネットを介したビューア環境の提供を含め、当初は1㎞当たり4万円に設定していたが、測定距離が5000㎞のオーダーであればキロ1万円に抑えられると試算している。
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