2011/11/11

7地区に分け方針/東部は高台移転推進/石巻市の復興計画素案

 宮城県石巻市は、震災復興計画素案をまとめた。計画対象期間は2011年度から20年度までの10年間。中心市街地と総合支所エリアなど7地区ごとに整備方針をまとめており、「まちなか再生」など7項目の重点プロジェクトを推進するとしている。23日まで市民意見の聴取を行い、12月中の成案化を目指す。
 地区別整備方針は旧市町と被害状況に応じて、▽東部市街地▽西部市街地▽牡鹿▽雄勝▽北上▽河北▽河南・桃生――の7エリアに分けて復興への考え方を示している。
 このうち、水産業の拠点となっている東部市街地では、萩浜地区の高台移転を促進。稲井地区には防災拠点となる総合運動公園、渡波地区には約20ha(500戸程度)の新市街地などを整備する。
 旧北上川右岸の西部市街地は、臨港地区や中心市街地の蛇田地区に約50ha(2000戸程度)の新市街地を形成。南浜地区は鎮魂の森公園として整備する。
 半島部にある牡鹿エリアは、住宅地の高台移転のほか、おしかホエールランドなどの復旧整備を推進。マリンバイオマス研究機関の誘致にも取り組む。
 津波が逆流した北上川周辺の河北エリアは、被災した大川小学校を始めとする公共施設の整備などを推進。被災した農地には再生可能エネルギーの導入や新産業の創出などによる有効活用を図る。
 リアス式海岸に面した雄勝エリアは、シンボルとなる雄勝硯伝統産業会館の復旧を含むメモリアルゾーン整備や住宅地、総合支所、学校などの高台移転を盛り込んでいる。
 北上川河口に面した北上エリアも宅地や総合支所の高台移転を計画。公共施設や高齢者福祉施設の再整備など、地域の状況に応じて暮らしの再生を図る。
 また、相乗効果が高く優先的に取り組む重点プロジェクトには、▽安心安全再生▽住宅再建復興▽まちなか再生▽海と大地との共生▽絆づくり▽石巻さきがけ▽未来への伝承――の7項目を挙げた。
 このうち、安全安心再生では防波堤や防潮堤、高盛土道路、避難路や避難場所などのインフラ整備に取り組む。住宅再建復興は防災集団移転促進(雄勝、北上、牡鹿など)や土地区画整理(門脇、湊、新渡波など)などによる住環境の整備を図る。
 「まちなか再生」では、被災した市街地の再開発事業や中心市街地活性化基本計画の見直しなどを行う。経済産業の拠点となる石巻港を再生させる「海と大地の共生」は工業港や漁港、石巻と牡鹿両水産物地方卸売市場の建設などを盛り込んだ。
 「絆づくり」は、石巻復興協働プロジェクト協議会の設置や集会所などの復旧事業、「石巻さきがけ」では、先進的なエネルギー利用・管理の仕組みを構築するスマートコミュニティー推進やICT(情報通信技術)を活用した植物工場など、環境に配慮した災害に強いまちづくりに取り組む。

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