2011/11/17

interview・『Build Live Kobe』連覇を達成した芝浦工大大学院チーム「TMT」

竹下さん(右)と畑瀬さん(左)
 BIMの腕前をインターネット上で競う設計イベント『Build Live Kobe』(主催・IAI日本)で、2連覇を達成した芝浦工大大学院チーム「TMT」。大手ゼネコンなども参加する強豪16チームを制し、見事に最優秀賞に導いた同大大学院工学研究科建設工学専攻2年の竹下悦子さんと畑瀬紋子さんに大会を振り返ってもらった。
 TMTは芝浦工大大学院生を中心に同大システム理工学部4年生を合わせた計9人で構成するチームで、衣袋洋一教授の研究室に所属している。同研究室のチームは2年連続の出場で、今回の課題はデザイン都市・神戸のポートアイランドにある京コンピュータ前駅に、研究機能やデータセンターなどで構成する複合施設「国際交流センター」をモデリングする計画だった。
 競技に入る前に、リーダーの竹下さんと設計担当の畑瀬さんは、何を軸に考えを進めるべきか考えるため、神戸に足を運び、課題の土地、周辺の街並みや環境をつぶさに観察し、建築の可能性を探ってきた。

TNTのパース

 畑瀬さんは設計に当たり「敷地の形状から丘にある意味について考えた」という。メンバーと設計を検討する中で、なだらかな形状の建物外壁の内側に、通風口を設け、その中にデータセンターのラックを収納する考えに至った。通風口内を吹き抜ける風で熱を帯びるラックを冷却し、余熱を温浴施設などで再利用する地球環境に優しい計画を考案した。
 競技では、まとめ役の竹下さんは「それぞれ独自に作業を進めるため、進行状況を把握するのが難しかった」という。次第に作業が行き詰まり、「にっちもさっちも行かない状況もあった」とも。しかし、コミュニケーションやコラボレーションを重視するシステム理工学部で学んだ成果を発揮し、メンバー全員で難局を乗り切った。
 表彰式では審査委員の山梨知彦日建設計執行役員設計部門代表から「経済的側面からBIMを導入することは多いが、デザインを中心にBIMを活用したことに将来性の豊かさを感じた」と選ばれた理由を明かされた。
 来年は3連覇がかかる大会となる。竹下さんと畑瀬さんは、「次の世代の能力は高い。プレッシャーを感じずに頑張ってもらいたい」と後輩にエールを送り、来年度に期待を込めた。



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