2011/11/21

復興本格化で軟弱地盤改良・土壌浄化技術に熱い視線

SWP工法の概要(工法協会のHPより)
 東日本大震災の復旧・復興事業が本格化する中、地下水位低下や軟弱地盤の改良、土壌浄化技術を持つ企業に引き合いが急増している。真空ポンプで地下水をくみ上げる「スーパーウェルポイント(SWP)工法」と、その原理を応用した土壌浄化技術「すっからか~ん(SKK)工法」などに引き合いが増えている。
 SWP工法は、地下水面下に水面より低い水圧を負圧伝播させて地下水を揚水する地下水位低下工法。SKK工法は、海岸近くでもシートパイルを設置することなく所定エリアの水位だけを下げることができ、津波をかぶった水田や畑などの除塩も一般的な対策工事より格段に低コストで行える。SWP協会会長でもある高橋氏は「SKK工法は軟弱地盤でもドライワーク(乾燥状態での作業)が可能」と利点を強調する。
 また、岩手県の支援で考案した真空低温殺菌システムをベースにしたヘドロ処理システム「PANシステム」も注目技術だ。菌類が熱に弱いことに着目。真空気化によりヘドロや地盤に含まれる水分の沸点温度が低下し、地中の常温でも水蒸気として容易に気化するため、減菌と土の乾燥ができる。気化する際に菌が熱で体積膨張して「パンと破裂する」擬態をもじって名付けた。
 SWP、SKK工法は、アサヒテクノ(本社・岩手県北上市、高橋茂吉社長)が開発している。

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