2014/07/24

【続報!ポケモンパーク】安心して家族で遊べるインドア空間へ 伊東豊雄氏らの意気込み

子どもたちが安心して遊べる場を--。福島県南相馬市鹿島区の鹿島小学校南側に「砂遊び」をテーマとしたインドアパークをつくろうという「みんなの遊び場プロジェクト」が動きだした。震災で被災した子どもたちの支援に取り組むTポイント・ジャパンが提唱し、これに賛同した複数の企業がそれぞれの力を結集して、さらに大きな支援の輪を広げようという、このプロジェクト。今回はTSUTAYAとヤフー、建築家の伊東豊雄氏と柳澤潤氏、南相馬市のプロジェクトメンバーに加えて、国内外で高い人気を誇る「ポケットモンスター(ポケモン)」の被災地支援活動“POKEMON with YOU”との共同プロジェクトとなる。  ◆ポケモンと遊べるインドアパーク

江口副市長
17日に東京都渋谷区で開かれた記者発表会の席上、南相馬市の江口哲郎副市長は「(震災発生から)3年4カ月がたち、記憶が薄れてきていると思う時もあるが、地元ではいまなお8万人が自分の家に住むことができない状況が続いている。また土壌汚染には敏感にならざるを得ない」と現況に触れながら「この施設が完成したら、しっかり運営し子どもたちの笑顔につなげたい」と語った。

伊東氏
施設の設計に当たる伊東氏も、「先週、現地に行き敷地近くの小中学校を見てきた。体育館には人がいたが、(屋外の)運動場には誰もいなかった。先生やPTAの会長さんなどからも子どもたちが安心して遊ぶことができる施設を待望していることがひしひしと伝わってきた」とした上で、砂場のある遊び場のイメージについて、「建築の内と外がつながる空間にしたい」などと話した。

柳澤氏
柳澤氏は「周りの木がきれいだった。サーカス小屋のようなワクワクできる空間、子どもからお年寄りまで楽しめるような広場のような場所をつくりたい」と意気込みを語った。
 このほかのプロジェクトメンバーも「子どもだけでなく家族が集うインドアで楽しめる場を提供したい」(北村和彦Tポイント・ジャパン副社長)などと、子どもたちを中心としたコミュニティーの場づくりへの意欲を示した。
 同施設は子どもが元気にのびのびと遊ぶことができる空間として、砂を素手や素足で体感し楽しめる砂場のほか、ポケモンのさまざまな装飾も取り入れる。2015年内の完成を予定している。
 「みんなの遊び場プロジェクト」では、相馬市にもインドアパークの建設が進められている。施設の設計は伊東氏と建築家ユニットのクライン・ダイサム・アーキテクツが担当。コンセプトは「公園の中にある麦わら帽子のような家」で、小学校低学年以下を対象としており、柱となる木は登ることができる。今秋には完成する予定だ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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