2014/06/21

【土木学会賞】7ダム連携で1兆円被害防いだ近畿地整と水機構関西に栄誉

近畿地方整備局と水資源機構関西支社は、2013年台風18号の洪水による壊滅的被害を回避した淀川水系7ダムなどの連携操作で、13年度土木学会賞技術賞を受賞した。16日に大阪市中央区の大阪合同庁舎1号館で、近畿地方整備局の池内幸司局長と水資源機構の自閑茂治関西支社長が受賞の盾と賞状をお披露目した。淀川水系7ダムを連携して洪水調節操作することで、桂川下流部の堤防の決壊という最悪の事態を回避したことが高い評価を得た。写真は池内局長(右)と自閑支社長。

 淀川水系の日吉、天ヶ瀬、高山、布目、比奈知、青蓮寺、室生の7ダムに水を貯め、下流部の水位低下に努めた。土木学会賞技術賞は今回11件が受賞している。ダム操作での受賞は今回が2例目という。
 お披露目で、池内局長は「13年台風18号ではいつ堤防が決壊してもおかしくない危機的な状況だったが、7ダムを総動員し、決壊という最悪の事態を回避できた。4000億円の投資によって、1回の洪水で1兆円規模の被害を防ぐ顕著な効果を上げた。受賞を励みに、さらなる防災対策に取り組みたい」と決意を述べた。自閑支社長は「世紀の大事業が受賞している技術賞を、近畿地方整備局とともに受賞でき、非常に光栄だ。今回の栄誉とともに、昨年の教訓を生かし、今後も近畿地方整備局と連携しながら万全の対応・対策を取っていきたい」とした。
 今回受賞したのは、近畿地方整備局と同局の淀川ダム統合管理事務所、琵琶湖河川事務所、水資源機構関西支社と同支社の日吉ダム管理所、木津川ダム総合管理所、琵琶湖開発総合管理所の計7機関が対象。
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