2014/06/17

【シンポ】東京五輪と新国立競技場の「レガシー・プラン」 美し国づくり協会

NPO法人美(うま)し国づくり協会主催のシンポジウム「2020東京五輪・パラリンピックへ、そしてその後」が16日、東京都千代田区の東海大学校友会館で開かれた。2020年の東京五輪を契機に東京は、日本は何を残し、どう変わるのか。ハード面だけでなく、文化振興や環境意識などソフト面への考慮、長期的・持続的効果への配慮などに注目した東京五輪における「レガシー・プラン」のあり方を語り合った。写真は進士五十八理事長。

 冒頭、美し国づくり協会の進士五十八理事長は「『ランドスケープ・ダイバーシティ・東京』めざそう!」と題して講演。「五輪を契機にもう一度東京と日本を見直す時、レガシーが重要になる」と語り、五輪を手段としてとらえて持続可能な社会を目指すべきであると主張した=写真。
 その上で「多様な生き方がそのまちの風景になり、魅力になる。東京には多様な歴史、自然、文化、ライフスタイルがあり、それを伸ばすことが東京の持続性につながる」と指摘し、生活、暮らし、景観、価値観などで多様性を確保する重要性を強調した。
 続いて日本建築家協会(JIA)の芦原太郎会長、東京都市大学の涌井史郎教授がそれぞれ講演した。芦原会長は五輪施設に対して建築家が果たしてきた役割と果たすべき役割について、同協会が提言する「デザインアドバイス機構」の側面から説明し、涌井教授は先進国が開催する五輪の望ましいあり方として、“江戸”をベースにする「再生循環型都市」を目指すべきとの考えを示した。
 講演の後、NPO法人合意形成マネジメント協会の百武ひろ子理事長をファシリテーターに加えたパネルディスカッションが行われ、会場からの意見や質問を受けながら活発な議論を展開した。
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