2014/06/09

【横浜環状北線】5.5kmのシールドトンネル掘進完了! 作業員延べ40万人が当たる

3月7日に到達した2本目のシールド切羽。既に子安台の構造物躯体が姿を現している
首都高速道路会社は6日、首都高神奈川1号横羽線と第3京浜道路を接続する約8.2㎞の横浜環状北線のうち、約5.5㎞にわたるシールドトンネル区間の掘進を完了、使用されたシールドトンネルの切羽を報道関係者に公開した。

 シールドマシンは外径12.53m、重量2000tで、外回りと内回りで2基使用した。掘削土量は約135万m3と日本最大級の規模で、延べ40万人の労働者が作業に当たった。

地中拡幅部の様子。拡幅シールドで掘削した部分から軸方向にパイプルーフを構築中
馬場出入口には4カ所のランプが、「地中分岐拡幅工法」で計画されているのも大きな特徴。これは、円形の本線シールドから長さ11mの拡大シールド機を使ってセグメント外周をリング状に拡幅し、そこを基地として、直径1.2mのパイプルーフを構築、拡幅部を安全に止水してからランプ部に必要な空間を拡幅する。拡幅工事は現在最盛期を迎えており、地上からは拡幅部に到達するためのランプシールドを組み立てている。
 首都高速道路の高橋敏雄横浜工事事務所長は「民地の下で作業すること、また新幹線を始め多くの鉄道などの重要構造物への影響、多数の作業員、職員の安全に配慮している」と工事に当たってのポイントを話す。
 施工を担当する大林組・奥村組・西武建設JVの北村幸三所長も「絶対安心してもらえる工法として施工している」と地上部への影響防止に自信をみせる。
 横浜環状北線は2010年10月末に掘進を開始。第三京浜道路の港北インターチェンジから首都高速横羽線生麦ジャンクションを結び、横浜の都心から半径10-15㎞を環状に結ぶ横浜環状線計画の一部。
 開通すれば、横浜港から東名高速までの所要時間が20-40分短縮される。また新横浜都心や港北ニュータウン、市北部の産業集積地と都心部・臨海部との連携が強化され、各拠点の活性化につながると期待されている。18年度の完成を予定している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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