2014/06/25

【除染工事】おんぶで行きましょう 福島・葛尾村で高齢地権者に現地説明

福島県葛尾村の除染工事を施工している奥村組・西松建設・大豊建設JVの第5工区(大豊建設担当)で、地権者との事前立ち会いでの職員の心温まる対応が、地元住民の共感を呼んでいる。
 除染では作業着手前、地権者立ち会いのもと、現地で業務内容を説明し、理解を得る必要がある。しかし山間部の多い葛尾村では、自宅から離れた山中に除染対象の農地がある場合も多く、高齢の地権者が現地を訪れるのは困難なケースも見受けられる。

 こうした中、同JV職員の山田浩史氏(大豊建設)は5月13日、同村広谷地地区での事前立ち会いに当たり、1人で現地に行くことができない高齢の地権者を背負って現場に向かい、その状態のまま除染工事の説明を行った。
 山田氏は母親が福島県のいわき市出身で、福島の復興に寄せる思いも人一倍強い。急峻でぬかるみの多い地形を、地権者を背負いながら一歩一歩踏みしめて歩く姿は、年老いた母を背負う孝行息子を思わせた。
 この日、地域住民を代表して現地での説明に立ち会った同村大笹行政区の鎌田毅区長は「高齢者を背負って山の上まで登っていく姿を目の当たりにし、とても感動した。地域のため除染工事に一生懸命取り組む気持ちがひしひしと伝わってきた」と振り返る。
 「1日も早く任務を完了させ、住民の方々に安心して生活していただけることを願っている」(山田氏)。住民本位の姿勢を貫く真摯(しんし)な技術者の姿が、放射能問題で揺れる地域住民の心に静かな感動を与えている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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