大林組は、地球と宇宙をつなぐ10万㌔mのタワー「宇宙エレベーター」建設構想を公表した。人や物資を経済的かつ大量に搬送するため、ロケットの代わりに建設、カーボンナノチューブ(CNT)製のケーブルで地球側のアース・ポートと9万6000㌔m先のカウンターウエイトを結ぶ壮大な構想だ。建設のポイントなどをまとめ、2050年の供用開始までの工程も示した。日大の青木義男教授が監修した。同社の広報誌『季刊大林』53号で発表した。
宇宙エレベーターのケーブルは、長さが9万6000㌔mで、ケーブルにはたらく重力と遠心力のバランスによってピンと張った状態を保つ。宇宙との搬送を効率化することで、宇宙太陽光発電、宇宙資源の探査と活用、宇宙観光などに弾みをつける。
宇宙エレベーターは、まずケーブルと建設用宇宙船、燃料をロケットで宇宙に輸送、ケーブルを送り出しながら先端スラスター(推進機)が地球の地表に到着する。続いて、地球からクライマーがケーブルをつかんで上昇し、ケーブルを補強する。最大8台のクライマーが同時に稼働、静止軌道ステーションなどを建設し、施工が完了する。
工程表まで作成
宇宙エレベーターの発着点であるアース・ポートは海に浮かぶ基地で、総延床面積は27万㎡、勤務者は5000人と設定した。また、宇宙空間の建造物「静止軌道ステーション」は高度3万6000㌔mに建設し、滞在人数は50人、必要な空間は1万3200m3とした。ユニット化し、建設時の輸送性や安全性を高めるとともに、膨張可能なように空気膜構造を採用した。
工程はこれからケーブルやクライマーの開発・製造に着手し、25年からアース・ポートの建設に着手する。50年の静止軌道ステーションの供用開始によって全体の完成とした。
同社は構想をまとめるためにプロジェクトチームを設け、検討を進めた。プロジェクトチームのメンバーは、技術本部の石川洋二、田村達一、大塚清敏、設計本部の堀池隆弥、岩岡丈夫、土木本部の増井直樹、浜地克也の7人(敬称略)。
工学に進んでいたら絶対にやってみたかった仕事です。構想を他人に話せばいつも笑われました。大林組さんが実現してくれたら、莫大な経済効果も去ることながら、多くの夢追人の喝采を得ることでしょう!
返信削除