2015/02/09

【現場見学会】レアな掘削前のシールド機に中央工学校生らが感激! さいたま市浸水対策現場

都市部で多発するゲリラ豪雨などの浸水対策として、さいたま市が進めている「南部処理区下水道工事(北建-25-73)」の施工現場を、中央工学校(東京都北区、堀口一秀校長)の土木建設科2年生の学生と魚野健太郎教員らが、卒業制作の授業の一環として見学した。
 豪雨を一時的に貯める雨水貯留管を構築するシールドトンネルの発進立坑に入り、掘削作業に着手する直前のシールド機を見学し=写真、ダイナミックな都市土木工事に触れる貴重な経験をした。設計はシーエスエンジニアズ、施工は鴻池組・とだか建設・田中工務店JVが担当している。

 見学会を企画した一場駿同校講師(シーエスエンジニアズ会長)は冒頭、「掘削に入る前のシールド機の全体的な姿を見る機会はなかなかないと思う。現場を担当するJVの皆さんに感謝し、安全に配慮して現場を見て記憶に残し、将来に役立ててほしい」とあいさつした。続いて、設計を担当した同社の原直史さんが設計の経緯を説明した後、鴻池組の越智創さいたまシールド工事事務所長が工事概要や特徴のほか、「既存の荒川連絡水道専用水路と近接部を直交する区間では、慎重な施工が求められる」など、工事のポイントを伝えた。
 見学会には、中央工学校の学生9人のほか、シーエスエンジニアズ、とだか建設の若手社員らも参加。地下15mで掘削の準備が完了したシールド機や実際に切り刃の回転する様子を見学するなど、シールド工事に対する理解を深めた。
 見学会終了時、学生代表が「4月の建設会社就職を控え、このような貴重な体験の場を提供していただき、さいたま市、JVの皆さま、一場先生に感謝します」と述べた。
 同工事では、泥土圧シールド工法(二次覆工一体型RCセグメント)で仕上がり内径2200mm、路線長さ1195m、貯留量4300m3の雨水貯留施設を築造。5年に一度の大型降雨(1時間に約56mm)に対応する。工期は2016年3月18日まで。
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