震災で被害を受けた下水道管路の復旧に当たり、水替工を効率的・効果的に実施できる技術として開発されたのが「エアハート工法」(空気圧作動汚水ポンプ工法)だ。
同工法は、▽動力源が完全自給式のため、呼び水が不要(電源不要)▽既設管に特殊プラグを装着し管本体をポンプピットとするため、臭気発生や作業員の衛生環境悪化を防止▽人孔部のみならず管本体から直接水替えが可能なため、1スパンではなく工事個所のみの水替えが可能▽作業はプラグとホース類の設置・撤去のみで、短時間での作業完了(20-30分)が可能▽施工時以外は自然流下での水替えが可能--などの特長を持つ。
こうした特長をすべて満足させる在来工法はなく、震災直後から管路施設の復旧で懸念された問題点に有効に対応できるものとして注目され、福島県須賀川市内の災害復旧工事などで実績を挙げている。震災復興から生まれた画期的な水替システムとして、緊急を要する災害復旧のほか、全国的にニーズが高まっている老朽管路の改築・修繕での活用も見込まれている。
普及に当たっては東北エリアの企業と、真下建設(埼玉県本庄市)などが連携して同工法協会を組織している。福島県いわき市内で開かれた同協会の第2回定時総会で服部幸吉会長理事(みちのくNテックス代表取締役)は「昨年11月の第1回総会で掲げた3年間でポンプ100台の販売を目指す。あらゆるきっかけをつかみながら営業展開してほしい」と会員に呼び掛け、自治体やコンサルタントなどに対するPR活動を積極展開する方針を示した。
協会会員は次のとおり。
〈正会員〉椎根建設▽積水化学工業▽東北ヒノデサービス販売▽真下建設、みちのくNテックス。
〈特別会員〉京扇土木テクノロジー▽ケイエス▽東北ターボ工業。
〈賛助会員〉ジャパンマシナリー。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年8月8日
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