2013/08/01

【職人】太田国交大臣が富士訓練センターを視察 センター機能拡充へ

太田昭宏国土交通相は7月31日、建設技術者や技能者を育成する「富士教育訓練センター」(静岡県富士宮市)を視察した=写真。現在実習・講習を受けている高校生のクレーン技能実習と足場組み立て実習の様子を見学。視察後、太田国交相は「公共事業は長年悪だ、無駄だと言われてきたが、それは間違い。命を守るために一番大事なものである。その意味でも一番誇りを持てるのが土木、建築の世界だ。皆さんの前にはすばらしい仕事が待っている」と生徒たちを激励した。同センターを国交相が視察するのは初めて。

機能拡充が決まった訓練センター
国土交通省は、静岡県富士宮市にある富士教育訓練センターの機能充実・拡充に向けた具体策の検討に入る。「担い手確保・育成検討会」の下に、有識者や建設業団体などの関係者で組織するワーキンググループを新たに設置する方針で、9月中にも立ち上げる見通しだ。7月31日にセンターを視察に訪れた太田昭宏国交相が明らかにした。
 技能実習などを見学した太田国交相は「ここは貴重な場である。さらに機能を充実・拡充することが必要」と述べ、検討組織を新設することを表明した上で、「できればここ数カ月、少なくとも年内にはどのような方向で充実・拡充していくかという結論を出せるように指示する」と語った。
同センターは1997年4月に、旧建設省(現国交省)の建設大学校朝霧校の施設を引き継ぐ形で開校した。富士山西麓に位置する約5.1haの広大な敷地に、建設機械運転や鉄骨建方、土木施工、内装などの各種実習場があり、宿泊施設を含め計29棟の施設が立地している。施設は建設業振興基金が所有。全国建設産業教育訓練協会(才賀清二郎会長)が運営している。
 センターは建設技術者や技能者を育成する全国最大規模の拠点だが、施設は築後50年を超え老朽化が著しくなっているほか、情報通信設備など時代に即した環境整備も求められている。
 6月に発表された建設業振興基金の「建設産業人材確保・育成方針策定会議」の中間報告は、技能者・技術者の教育訓練や教育機関が取り組む実習教育の支援、学生の保護者や学校への広報活動を一括して担う中核的センター機能の確立を提言。富士教育訓練センターをその拠点に位置付け、機能拡充を図る必要性を打ち出している。


建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年8月1日

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