東京空調衛生工業会(是常博会長)が、小学校高学年を対象に開いた「空気と水の体験教室」には、抽選で当たった43組の親子が参加した。サイエンス演芸師「善ちゃん」の、空気と水を使った科学実験ではハプニングに笑いが、成功に驚きと拍手がわき起こった。
「善ちゃんのサイエンスショー」の最初は浮(ふ)沈(ちん)子(し)。ペットボトルに入れた魚の形をしたしょうゆ差しが上下する様子に、子どもたちは興味津々。ボトルの握り具合で上下するという種明かしに、大人も感心しきりだった。続く、水を満たしたコップの口に、フックの付いた板を当て、そのフックで水の入ったペットボトルを持ち上げる実験では、調子が悪かったのかうまくいかず、ハラハラ、ドキドキの連続だった。
◇強度で変わる状況
沸騰した水の入ったフラスコの口に風船を付け、膨らました後に火を消すと、風船がフラスコに吸い込まれる実験では、水と水蒸気の関係を学び、大気圧の実験では、コーラのアルミ缶に少量の水を入れ、沸騰させた後に、飲み口側を水中に入れて冷やすと、一気に潰れる現象には驚きの声が上がった。お茶用のスチール缶では、アルミ缶より強度が高いので潰れることはなく、そのかわり、水が缶内に入ってくるという、缶本体の強度によって状況が変わるということにも驚いた様子だった。
◇気体の力で風船が…
また一方で、水の入った風船を、小さな口のフラスコに入れる実験では、水を沸騰させ、フラスコ内を水蒸気で充満させた条件で、そのフラスコの口に風船を乗せた後に火を消すと、中の水蒸気が水に変わってフラスコ内が真空となり、大気圧で水入り風船がフラスコに吸い込まれる現象を、逆に、吸い込まれた風船を取り出すために、発泡入浴剤を投入し、風船に付けられたヒモを引っ張って、風船でフラスコ入り口をふさげば、発泡によって生じたCO2の力で風船が出てくる。その気体の力に驚きを隠せない様子だった。
◇掃除機使って実験
最後は掃除機で、ボウリングのボールを吸い上げるという実験。ボールの直径とほぼ同じ直径の円筒の中にボールを入れ、上部には掃除機の吸い込み口を付けた板を置く。掃除機で上部空間の空気を吸うことで、上部部分は真空に近づき、ボール下の空気圧によってボールは円筒内で浮くという仕組み。これには驚きと拍手がやまなかった。
◇将来の技術者候補
実験の後は、子どもたちも参加して、上下にペットボトルをつないだもので渦を作ったり、熱湯を霧吹きで吹いて手に当てても熱くないということを確認したり、中空の銅の棒と中の詰まった棒とでの、熱伝導の比較をしたりと、水と熱の不思議を体験。その後、ペットボトル水族館や水の温度計を作った。
この催しは今回で2回目。空気と水の大切さを、子どもたちに知ってもらうのと同時に、父親、母親にも、空気と水に関係する仕事をしていることを知ってもらおうというのが狙い。空調衛生工事業のおもしろさに気づき、将来の設備技術者になってもらえればという思惑もある。
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