米国・南カリフォルニア建築大学(SCI-arc=サイアーク)は、毎年開いている「ジャパン・スタジオ」(スタジオ責任者、ジョン・ボーン氏)をことしも東京・市ヶ谷の法政大学の校舎を拠点に開催した。18人の大学院生が来日してワークショップを実施、東京都中央区の築地市場再整備と東京オリンピック招致を題材に、数チームに分かれてマスタープラン提案を作成した。
生徒の作成したモデル |
まず市場の2次元図面を作成し、それをもとに8人で詳細な3次元モデルをつくりあげた。また1週間をかけて、生徒一人ひとりが築地と東京全域の関係性を分析した。1日の時間ごとの市場関係者や観光客の動線、銀座や汐留、東京駅などとのアクセス分析、江戸時代からの歴史など、細部にわたり非常に詳細な調査を展開した。
7月末に、市ヶ谷の法政大校舎で開いた最終講評会では、各チームがコンピューティショナル・デザインを駆使して作った提案を、ゲストとして招いた建築家たちの前で発表した。
オリンピックの水上ゲームの観覧席を隅田川沿いに設けた案やホテル、魚市場を連携させた案など、非常にユニークな提案が多かった。
ボーン氏はこのスタジオについて「海に面した立地や築地の長い伝統、都市計画と建築、インフラ投資をいかにうまく統合していくかを目標にしている」と話す。
ジャパン・スタジオでは、昨年も東日本大震災で被災した、宮城県南三陸町の陸前戸倉などを調査し、地域再生マスタープランを作成している。
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