2013/08/06

【関西建設事情】阪急阪神系の開発に動き 京阪神のビッグプロジェクト

大阪神ビルディング
大阪駅前の大型開発「グランフロント大阪」の建設が終息、日本一の高さを謳う「あべのハルカス」もほぼ工事は最終段階に入るなど一服感が出ている関西の大型開発だが、人のにぎわいを増すプロジェクトはまだまだ目白押しだ。今後動きが注目される京阪神のまちづくりなどの動向をダイジェストした。

◇梅田や中之島で大型プロジェクトを継続

 阪急阪神ホールディングスは阪神百貨店(大阪神ビルディング)と新阪急ビルの建て替え計画をことし3月に発表した。建て替え後の施設規模は、S(地下SRC)造地下4階地上38階建て延べ約25万7000㎡。高さは190mになる見通し。2014年には本体着工し23年の完成を目指している。建設地は、大阪市北区梅田1。
 同じ梅田地区では、ヨドバシカメラが「ヨドバシ梅田」の2期事業を計画。01年に完成した「ヨドバシカメラ梅田店」の店舗建設に続くプロジェクトとなる。
中之島フェスティバルタワーの西地区
朝日新聞社は中之島地区に計画しているツインタワービルのうち、西棟の建設を計画している。12年11月に完成した東棟(中之島フェスティバルタワー)に続くもので14年夏以降本体工事に着手、17年の完成が目標だ。規模はS・SRC・RC造地下4階地上42階建て延べ約13万1200㎡。オフィスのほか商業施設、ホテルなどが入居する見込み。東棟と同じく設計・監理は日建設計、施工は竹中工務店が担当。建設地は北区中之島3。
 同じ中之島地区では大阪市の近代美術館の建設計画が動き始めた。北区中之島4にある旧阪大医学部跡地に計画しているもので、基本構想段階で規模は延べ1万6000㎡を想定している。今後は年度内に基本計画をまとめ18年度以降の完成を目指している。
(仮称)ホテルユニバーサルグランドタワー
此花区のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)周辺では新たな高層ホテル(仮称)ホテルユニバーサルグランドタワーの建設計画が浮上した。特定目的会社「ワンダー・トリアングルム」が大阪市所有の此花区島屋6の敷地約6600㎡を20億4000万円で購入。高さは28階建て、USJとしては初のオフィシャルホテルとなる。13年度内にも着工、15年度内の開業が目標だ。
 吹田市ではプロサッカークラブ・ガンバ大阪の新スタジアムが年内にも着工する。スタジアムの規模は、RC造6階建て延べ7万4000㎡。事業費は140億円で設計・施工は竹中工務店、CMr(コンストラクション・マネジャー)を安井建築設計事務所が担当している。15年内の完成が目標だ。建設地は同市千里万博公園3。

◇ターミナル再整備、JR・阪急に動き

 神戸市の玄関口・三宮地区にはJR西日本と阪神、阪急、市営地下鉄の4路線のターミナルが集結している。このうちJRと阪急のターミナルが建て替えに向け動きつつある。
 JR西日本は、ことし3月に公表した13年度から5カ年の中期経営計画の中で、三宮地区(JR三ノ宮駅)の開発や構内リニューアルを重点戦略に盛り込んだ。建て替えるビルは複合高層ビルになる見通しで、駅前広場敷地の活用も検討している。事業費や着工時期などは未定。同社は神戸市とともに駅前再整備事業の推進に向けた検討会を設置し、詳細を詰めていく。
 阪急阪神ホールディングスも阪急三宮駅の建て替え検討に入っている模様。公式には認めていないが、駅ビルの高層化案が一部で報道されるなど、施設整備に向けた機運は高まっている。
 阪神電鉄の三宮駅は05年から13年にかけて大規模な改良工事を実施。改札口やエレベーターの新設、コンコースやホームの拡幅など総額約130億円を投じ完成した。

◇京都駅前に芸大移転、JR西日本は博物館


梅小路博物館(仮称)
京都市は、JR京都駅東側にある崇仁北部地区(下京区)のまちづくりを進めている。土地区画整理によるまちづくり検討を進める一方で、西京区にある市立芸大の移転案が浮上。市は13年度内をめどに利用方針を固める。
 同地区のうち第1地区(2.9ha)は区画整理事業で市営住宅などの整備を計画。14年度に着工し、16年度の完成を目指している。第2地区(約5.8ha)と第3地区(約5.4ha)も13年度中に区画整理の原案をまとめ15年度の事業認可を目指している。
 芸大はことし3月に第二、第三地区内への全面移転を市に要望。地元自治会も6月に大学の受け入れを市に求めた。市では敷地内に残る施設が地元に利用されていることや新たな用地取得が必要になる可能性も踏まえ、年度内にも結論を出すことにしている。
 同じ京都駅周辺ではJR西日本が梅小路博物館(仮称)の建設を計画。設計・施工は大成建設が担当、16年春のオープンを目指している。規模(本館)は地上3階建て延べ約1万5000㎡。国内最大規模の鉄道博物館として、総事業費約70億円を投じる。建設地は下京区観喜寺町。

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