2016/03/15

【耐震改修優秀賞】鎌倉市の「湯浅物産館」が受賞 特徴的な外観残し耐震性を確保


 神奈川県鎌倉市の景観重要建築物等「湯浅物産館」が日本建築防災協会主催の第5回耐震改修優秀建築・貢献者表彰「耐震改修優秀建築賞」を受賞したことに伴い、10日に同館(雪ノ下1-0-27)で祝賀会を開いた。建物所有者や設計者、施工者を始め、同市職員など多くの関係者が集まり、受賞を祝うとともに鎌倉の伝統と文化を守る取り組みの推進を誓った。

 冒頭、建物を所有する湯浅物産の湯浅弘邦代表者は、2月16日に開かれた表彰式で東京タワーや新宿三井ビルディングなどと一緒に「立派な賞を受賞できた」と報告し、関係者の尽力に感謝の意を表した。続けて「今後も建物を存続して皆さんの力になっていきたい 」とあいさつした。
 企画・設計・施工を担当した清興建設の石渡好行代表取締役は、「まだまだ保存しなければならない建築物がたくさんある。これからも鎌倉の、日本の建築物を守りたい」と述べた。
 実務を担当した同社の久下修管理建築士は耐震改修を選択した理由や具体的な手法などを説明した後、「引き続き鎌倉のまち並みを守る建物を発掘し、対策を提案していきたい」と誓った。
 設計に協力した神奈川県建築士事務所協会鎌倉支部を代表して前支部長の福田亮一副会長は、鎌倉市役所の支援に礼を述べた上で、補強設計の業務体制を解説し、「今後も鎌倉の伝統・文化を守る耐震補強に力を入れていきたい」と話した。
 施設は、1936年に竣工した。木造2階建ての商店建築「看板建築」で、前面にスクラッチタイル張りや波形亜鉛鉄板張りで装飾を施している。
 特徴的な外観はそのまま、内部空間の最小限の変更だけで必要な耐震性を確保したことが評価され、湯浅物産、清興建設、神事協鎌倉支部の3者が同建築賞を受賞した。
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