「その調子、その調子、そのまま刃を寝かし手前に引いて」――。歴史街道推進協議会(会長兼理事長・山口昌紀関西経済連合会副会長)は21日、奈良県斑鳩町、竹中工務店、竹中大工道具館との共催で、夏休み特別企画「古代建築の謎を探る~法隆寺にみる堂宮大工の技と心」を開いた。小・中学生を含む約90人が参加し、古代建築の仕上げに使われたヤリガンナがけの体験や法隆寺見学、折りたたみいすの製作などを楽しんだ。
参加者は法隆寺iセンターに集合。竹中大工道具館技能員の宮大工・北村智則氏が、古代の大工道具の紹介や実演をした後、最後の宮大工棟梁と評された故西岡常市棟梁や唯一の内弟子だった小川三夫棟梁から聞いた寺院建築にかける心について熱心に耳を傾けた。北村氏が話す「道具は身体、手の延長。得心がいくまで研げ」(西岡棟梁)、「宮大工は事に仕える。生き方が仕事に出る。祈りを込めて建てること」(同)、「本堂の前に立って手を合わせたくなる建物を建てたい」(小川棟梁)などの口伝に感銘を受けていた。
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