2011/08/30

若手建築家が復興提案/オリエアート・ギャラリーでデザイン展

 若手建築家による東日本大震災復興支援・建築デザイン展が、東京都港区のオリエアート・ギャラリーで開かれている。27日のギャラリートークでは、出展者の中村拓志氏が地形にあわせた建築提案を説明した=写真。
 中村氏は、リアス式と平野部では津波被害面積が異なることに着目し、2種類の建築を考えた。津波から逃げるところの少ない平野部は「まず逃げる場所を確保し、そこから街をつくる」とし、緊急時にだれでも逃げ込めるエバケーション(避難)タワーを徒歩20分圏内に一つ建てることを提案した。
 一方、リアス式の地域は「自然と闘うより、高台に住むことが選択肢の一つになるのではないか」と、造成せずに自然の地形に沿って建てる「登窯式住居」を発案した。高低差を生かした重力換気や地熱など、できるだけ電気を使わない建築となる。「空間をたくさんつくることができるため、夏と冬で居住域を変えればいい。人間も猫のような嗅覚を持って、快適な場所を探して生活すればいい」と話す。
 「若手建築家による東日本大震災復興支援・建築デザイン展」は、中村氏のほか、芦澤竜一、五十嵐淳、迫慶一郎、谷尻誠、鈴野浩一・禿真哉(トラフ建築設計事務所)、平田晃久、原田真宏・原田麻魚(マウントフジ)各氏による独自の復興提案を紹介している。コーディネーターは建築ジャーナリストの淵上正幸氏。会期は9月22日まで。日刊建設通信新聞社も後援している。

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