2011/08/22

今度は圧送技能者も不足/年収は400万円割れ、ポンプ車も更新できず

生コン圧送にも技能者不足が
(写真と本文は関係ありません)
 鉄筋工、型枠工に引き続き、コンクリート圧送業にも、技能者不足、技術伝承の危機が訪れている。これは、全国コンクリート圧送事業団体連合会(佐藤勝彦会長)がまとめた「2010年度のコンクリート圧送事業経営実態アンケート調査結果報告書」で明らかになったもの。報告書を読み解くと、調査開始以来初めて圧送技能者の年間給与手当の平均額が400万円を割り込み、技能者数も20歳代の構成比率が16%と低下していることがわかった。さらにコンクリートポンプ車も10年以上経過した車両が半数以上で、車両の設備更新もままならない状況が浮き彫りになっている。
 同連合会加盟社の2010年度決算状況は、54・3%と半数以上が赤字、プラスマイナスゼロと回答した企業19・8%を加えると、4社に1社しか利益を出していないという厳しい経営状況にある。
 圧送技能者数も1社平均10・9人と減少傾向にあり、特に20代の割合が低い。また保有するコンクリートポンプ車の車歴についても、10年以上経過した車両が53・5%と半数以上を占めた。
 同連合会の経営委員会(中島一哉委員長)では、「受注価格適正化に向け業界自らが努力することが今後も重要だが、元請けのダンピング(過度な安値受注)が下請けの専門工事業者に与えるしわ寄せは大きく、元請団体などに対して、受注価格の適正化に向けた理解と協力を要望していきたい」という。

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