2011/08/25

赤坂プリンスの旧李王家東京邸が公開される

 西武プロパティーズは、東京都千代田区の旧グランドプリンスホテル赤坂内にある旧李王家東京邸を一般公開した。旧李王家東京邸は6月に都の指定有形文化財に指定された。当日は約410人が訪れ、客室や食堂、1950年代からの周辺地区の写真パネルなどを熱心に見学した。
 同邸は、日本の皇族となった朝鮮王朝・李王家の東京本邸として1930年に竣工。紀尾井町1-2に立地し、規模はRC造地下1階地上2階建て塔屋2層延べ1770㎡。建築面積は843㎡。設計は宮内省内匠寮の課長・北村耕三や技師・鈴木鎮雄、権藤要吉らが担当し、清水組(現・清水建設)が施工した。55年からは赤坂プリンスホテルとして、1階部分をロビーや宴会場、2階部分を客室として使用していた。
 見学会では、1階の大客室、小客室、大食堂、2階の寝室、談話の間などに加え、邸内随所に組み込まれた三崎彌太郎が手掛けたステンドグラスなどを公開。訪れた都内在住の70代男性は、「竣工当時から周辺に住んでおり、外国人の訪問客が多かったことを思い出す。いつか中に入ってみたいと思っていたので夢がかなった」と話していた。
 歴史的価値が高いことから、2012年夏から4、5年をかけてほぼ同じ位置に移築再整備される。敷地内では、複数の施設のうち旧館以外の施設を解体、除去した上で、高さ約180mの複合棟と約100mの住宅棟を建設する計画が進んでいる。旧館を含めた総延べ床面積は、約22万7000㎡を見込んでいる。9月ごろから大成建設・西武建設JVの施工で内装撤去を始め、解体作業は12年5月ごろから本格化する見通しだ。新築工事の施工者は未定だが、12年夏にも着工し、15年度の竣工を目指す。

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