2011/08/03

原因はタンク内の大量の水/市原のコスモ石油大爆発




 東日本大震災で爆発、炎上した千葉県市原市のコスモ石油千葉製油所の事故原因が判明した。地震時、LPGタンクの1基にガスではなく水が注入してあり、設計を上回る負荷がタンクを支える支柱を破壊してタンクが倒壊、周囲のタンクのLPGが漏れて発火した。
 倒壊した364番タンクは地震時、開放検査というメンテナンスのために、LPGより重量が重い水で満たされており、本震で筋交いの多くが破断、約30分後に起きた茨城県沖地震でタンク本体が倒壊して近くの配管を壊してガス漏れを起こした。
 コスモ石油では「その間に地震が発生した場合の潜在リスク認識が不十分だった」と報告している。今後は、水張り作業の際には満水期間を最短にし、タンク自体にも満水時を考慮した対策を行う。万が一、倒壊してもガスが漏洩しないように、配管や設備の保護、縁切り、切り離しなども行う。
 今回の事故では全17基のLPGタンクと周辺配管、道路に物的被害が及んだ。また、隣接するアスファルトタンクも損傷し、アスファルトが漏洩。近隣の他社コンビナートにも飛び火した。
 現時点では被災エリアのLPG全量が燃焼し、漏洩したアスファルトも回収済み。大気や水域、土壌への影響は確認されていないという。

Related Posts:

  • 【素材NOW】価格10倍のステンレス鉄筋が採用される理由 愛知製鋼(愛知県東海市)のステンレス鉄筋コンクリートバー『サスコン』が、2001年の販売開始から累計で2500tを超えた。ステンレス鉄筋の価格は最大で通常鉄筋の約10倍。中川英樹ステンレス・チタン市場開拓グループマネジャーは「高価ゆえに採用された案件には、すべて理由がある」と解説する。 ◇初物件は清水寺 海外では1980年代から採用事例があるステンレス鉄筋だが、日本では01年に清水寺(京都市)の音羽の滝に設置された手すりへの採用が初めてとなっ… Read More
  • 【素材NOW】屋根のプロが磨く太陽光パネルの進化 元旦ビューティ 白州技術センターは1994年に完成 「ここで技術が生まれ、育っていく」。元旦ビューティ工業の舩木元旦会長は白州技術センター(山梨県北杜市)の役割を、そう表現する。4月にはセンターの屋根に設置していた太陽光発電システムを最新の技術に全面刷新した。年間を通し、自社製品の有効性を多角的に検証する。そこには「技術を売る会社」のこだわりが詰まっている。  太陽光発電の買取価格は住宅用、メガソーラー用ともに引き下げられたものの、省エネ要求を背景に太陽… Read More
  • 【素材NOW】大雪に負けない“頑固”なカーポートあります! EXE2015で3社が新作 4月10、11日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた「エクステリア・エキシビジョン2015(EXE2015)」。新設住宅着工の伸び悩みが続くが、出展メーカーは前年を上回る62社に達した。住宅が完成してから新たに工事するケースの多いエクステリア商材。消費増税前の駆け込みで建設された住宅からの需要も取り込もうと、EXE会場は熱を帯びた。  新製品の投入が目立ったのは「カーポート」。背景には2014年2月の大雪被害がある。首都圏を中心に2度… Read More
  • 【素材NOW】寿命5万時間のデバイス! デザイン自在の有機EL照明 カネカ カネカ(大阪市)は、世界最高水準となる約5万時間の寿命を実現する有機EL照明デバイスの開発に成功した。一般的なLED(発光ダイオード)照明の推定寿命は約4万時間だが、劣化のメカニズムを精査し、デバイス構造や製膜条件を最適化することにより、長寿命化を実現した。  開発では、白色を構成する数種類の異なる波長の発光層の劣化挙動に着目し、デバイスの材料や積層構成に加え、厚みなどの製膜条件を最適化することにより、各発光層の経時劣化(劣化速度)を大幅に… Read More
  • 【素材NOW】「呼吸する」ように換気 ダクトいらずの「森永ルノサン換気システム」 森永エンジニアリング(東京都港区)が4月から販売する住宅向け「森永ルノサン換気システム」は、ダクトを一切使わない。独メーカーのルノス社製で、これを輸入販売する。同社は「まるで建物が呼吸をしているような換気システム」と説明する。  新築住宅では、24時間換気が義務付けられているが、室内の空気をそのまま室外に排気するため、省エネの観点からのロスは大きい。この換気システムは2台1組で、排気と給気の役割を担う。50秒ごとにそれぞれのファンが回転する… Read More

0 コメント :

コメントを投稿