2011/08/05

覆面記者座談会 8月5日-上-新潟・福島豪雨

A 新潟、福島の両県で7月27日から30日にかけて記録的な豪雨が発生したね。気象庁は、「平成23年7月新潟・福島豪雨」と命名したが…。
B 新潟県三条市の雨量観測所は累加雨量1006mmを観測した。同県では7年前にもほぼ同じ地域で、死者16人を出す豪雨に見舞われている。そのときの雨量が647mmだったことからも、今回のすさまじさが分かる。
C 2004年の7・13水害を大きく上回る雨量でありながら被災規模を抑えることができたのは、国と新潟県が取り組んできた河川災害復旧等事業の成果の表れだろう。
D たしかに国が信濃川下流、新潟県が刈谷田川と五十嵐川で整備した築堤や護岸、河道掘削、道路付け替えなどが功を奏している。
C 信濃川下流の水位観測所は6カ所で既往最大を更新した。なかには計画高水位9・2mに対し、最高水位9・82mに達したところもあった。築堤事業が実施されていなければ、越水破堤が起こり、甚大な被害が発生していたかもしれない。事業効果が端的に出たと言える。
B 地元建設業の対応も早かった。新潟県建設業協会では国や県の要請に応え、機械出動に関する支援を行っていた。
C 決壊が心配される河川では大型土のうによる水防活動にも取り組んでいた。現場では、地域の安全・安心を守る使命感と誇りが感じられた。
D 自治体もかつての7・13水害を教訓に防災無線や携帯電話による情報提供に努めていた。それが早期避難につながったことは間違いないね。
A ただ、改修が実施されていない河川では決壊が起きた。一人暮らしの高齢者への避難情報の提供方法も課題として浮き彫りになった。東日本大震災を含め、災害対策でのハード、ソフト両面のさらなる強化が必要だ。

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