2012/08/21

江戸中期の数寄屋建築がスケルトン状態で展示中! 神戸の竹中大工道具館

A4に展示されている数寄屋模型
竹中大工道具館(神戸市)による巡回展「数寄屋大工-美を創造する匠-」が20日、東京都江東区の竹中工務店東京本店のギャラリーA4(エークワッド)でスタートした。目玉は、江戸中期の茶室を実物大で復元した構造模型。仕上げ前のスケルトン状態のため、土壁や天井の裏に隠されたさまざまな伝統建築技術を目の当たりにできる。このほか、木組みの模型や道具、建具、名工たちによる図面など約150点を展示している。東京会場の後、神戸市、名古屋市と巡回展示する予定だ。
 展示は、「数寄屋解体新書」「数寄のディテール」「数寄屋大工列伝」の3つで構成している。スケルトン状態に復元した茶室「蓑庵(さあん)」は、伝統建築を数多く手掛ける安井杢工務店(京都府向日市)が製作を担当。模型の内部に入ることも可能で、完成後は目にすることができない数寄屋建築の構造体、繊細で工夫を凝らした匠の技に触れることができる。
 このほか、独特の美意識に基づいた建具や表具などを展示し、その素材や製作技術なども解説している。シアターコーナーでは、新たに制作した数寄屋大工の映像を見ることができる。
 東京会場での展示は9月29日まで。その後、10月6日から11月18日までは神戸市の竹中大工道具館で、11月23日から12月28日までは名古屋市のトヨタテクノミュージアム産業技術記念館で開く。それぞれの会場で、数寄屋大工や左官職人による実演、茶室の見学会、講演やシンポジウムなどのイベントも予定している。

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