2012/08/06

食品残さから従来比3倍の高効率発電 朝日工業社とユーリカエンジ

朝日工業社はユーリカエンジニアリング(本社・横浜市、伊藤信三代表)と共同で、「コ・プロダクション型メタン発酵システム」を開発した。食品残さといったバイオマス(生物資源)や低品位石炭を活用して、従来のメタン発酵システムと比べて外部に供給できる電力が従来の約3倍になり、高カロリーな固形燃料を生産できるという。今後、エンジニアリング会社などとのアライアンス(提携)、研究会組織の立ち上げを視野に入れ、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)といった公的機関の研究開発に応募し、実証プラントで検証する。
 システムは主原料として、性状が一定で異物の混入がないおからや活性汚泥脱水ケーキ、廃食用油といったバイオマスと補助原料として世界中に豊富に存在するにもかかわらず含水率が高く有機分も多いため有効に使われていない低品位炭(亜瀝青炭)を使う。
 前処理や残さの処理といった自家消費エネルギーが発生エネルギーの約75%を占め、外部に供給できるエネルギーが少なく、廃棄物処理プラントの域を出ていない従来のメタン発酵システムの「原料」の発想を変えた。
 原料の性状を変えることで、流動性が高く、有機物濃度の高い乾式メタン発酵を可能にした。
 発酵方法をバッチ式にすることで発生エネルギーを最大化するとともに、自家消費エネルギーは約25%で済む。
 発酵残さをコージェネレーション(=CGS、電熱併給)システムの廃熱で乾燥すると、投入した低品詞石炭の未発酵分主体の高カロリーな固形燃料として活用できるという。

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