2012/08/07

土壌汚染処理工事の現場を公開! 東京都の豊洲新市場

東京都中央卸売市場の土壌汚染対策工事の全景
豊洲新市場の建設地約40・7haで進められている東京都中央卸売市場の土壌汚染対策工事の現場が公開された。同工事は土壌汚染対策工事としては全国的にも例を見ない大規模プロジェクト。専門家会議(座長・平田健正和歌山大教授)や技術会議(座長・原島文雄首都大学東京学長)の提言をもとに、5-7の各街区で万全の対策工事が本格化している。

◇万全の対策工事をアピール

 豊洲新市場予定地で実施する主な対策は、▽遮水壁の設置▽汚染土壌の処理▽汚染地下水の対策▽液状化対策▽地下水管理--の5項目。仮設土壌処理プラントを設置する6街区(約13ha)の清水建設・大林組・大成建設・鹿島・戸田建設・熊谷組・東洋建設・鴻池組・東急建設・錢高組JVを始め、5街区(約12ha)の鹿島・大成建設・東亜建設工業・西松建設・東急建設・新日本工業JV、7街区(約13ha)の大成建設・鹿島・熊谷組・飛島建設・西武建設JVと、建設業界の総力を結集して施工に当たっている。


5街区の土壌汚染対策
◇数々の汚染対策工法

 遮水壁は市場用地からの地下水の漏出と外部からの地下水侵入を防止するため、各街区の周縁で不透水層の深さまで設置。道路や新交通ゆりかもめ側に面する部分では遮水性と自立性を両立する鋼管矢板遮水壁を採用し、3街区で総延長約3000m、計3000本の鋼管(直径800mm)を打設した。
 また、3街区で約1600mある護岸側には現場の土とセメントを混合して造成するソイルセメントと鋼製の遮水材とで三層構造の遮水壁を設置している。
 一方、汚染土壌の処理では掘削微生物処理と洗浄処理、中温加熱処理の3種類の処理技術を組み合わせて採用。汚染物質の性質に応じて、計5パターンの処理を施す。
 6街区に設けている仮設土壌処理プラントですべての汚染土壌を効率的に処理する。揮発性の有害物質の拡散を防止するため、洗浄処理プラント、掘削微生物処理プラント、汚染土壌仮置ヤードは気密性の高いテントで覆うなどの対策も講じている。環境基準以下に処理した土壌は各街区の埋戻し土として再利用する計画だ。
 このほか、汚染地下水を浄化する汚染地下水対策、液状化の可能性がある液状化層で実施する液状化対策など、複合的な対策で市場施設としての安全性の確保につなげていく。
 また、土壌の搬出入に船舶輸送を取り入れるなど、工事車両による輸送の削減を図るなど、工事車両の安全対策にも力を入れている。

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