写真は打ち合わせする緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)。
道路の崩土は、京滋バイパス(BP)の宇治西~瀬田東インターチェンジ(IC)、国道307号線の同町湯屋谷、府道二尾木幡線の宇治市炭山~木幡、府道宇治田原大石東線の宇治田原町禅定寺、岩山、府道大津南郷宇治線の滋賀県境~宇治市槇島町六石山、府道宇治木屋線の宇治田原町郷ノ口~高尾のほか、さまざまな市道で起きた。
◇建協各支部が出動
各道路管理者は被災後すぐに道路啓開などに着手し、主要道路については車両制限などはあるものの16日までに復旧させ、孤立地区を解消させている。京都府が管理する府道二尾木幡線の復旧では、防災協定に基づいて府が京都府建設業協会に復旧作業を要請し、同協会の宇治、相楽、綴喜の各支部が出動して速やかに作業を行った。
宇治支部では会員企業のほとんどが出動し、住民2人が流された一級河川・志津川の護岸崩壊個所の監視、孤立集落でのがれき撤去、決壊した天井川の弥陀次郎川の応急復旧、二尾木幡線の土砂撤去にほん走した。相楽支部は、15日から全会員企業が参加し、国道163号線の路肩決壊個所の復旧(約100m)や、木津川の土のう設置を進めた。
こうした取り組みにより、二尾木幡線は仮復旧したが、京都府では孤立地区の解消を最優先したため、大津南郷宇治線などの復旧にはまだ着手しておらず、府道の完全復旧は長期化する見通しだ。
被災自治体の宇治市は、13日午前7時から14日午前10時40分までに311mmの豪雨に見舞われ、河川があふれ、土砂崩れも起きた。
これにより、市内の菟道・木幡・羽拍子・伊勢田・小倉・大久保他の各地区で床上浸水約540軒、床下浸水約1400軒(17日午前9時時点)が起き、家屋の全半壊という重大な被害もあった。
道路の寸断で笠取、炭山、二尾、池尾の4地区が一時孤立状態になったほか、木幡、東笠取、西笠取、炭山、二尾、池尾、志津川、五ケ庄地区などでは停電とこれに伴う給水停止によりライフラインがストップした。
土砂に埋もれた京滋パイパス内畑トンネル |
復旧作業が終わった様子(写真は上下ともnexco西日本提供) |
こうした状況を受け、宇治市では災害対策本部を設置し、行方不明者救助活動を行う消防班、路面清掃を行う建設班などに分かれて作業を進め、近畿地方整備局の京都国道事務所や地元建設企業の協力による迅速な道路復旧作業や、電源車・給水車の配備を行った。
西日本高速道路会社の管理道路では、京滋バイパスが最も大きな被害を受けた。宇治東~笠取IC間の2カ所、笠取IC~南郷IC間の1カ所で、いずれもトンネル坑口で土砂・倒木流入が発生。復旧活動により、現在では通行止めはすべて解除されている。
また、近畿地方整備局は、情報収集支援のため、災害対策現地情報連絡員(リエゾン)を派遣するとともに、支援強化のため災害対策用車両(排水ポンプ車、照明車)を配備。16日午前9時半には宇治市に2班6人からなる緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)を出動させている。同整備局の山岡康伸企画部防災課長は「16日の調査では大規模な被害はないが、小さな被害が散在している状況と報告を受けた。引き続き調査を続けており、TEC-FORCEの帰還予定は未定」としている。
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