2012/08/28

熱中症対策!「冷やし合材始めました」 前田道路の中温化アスファルト

前田道路は、舗装工事の熱中症対策や作業環境改善を目的に、普及型中温化アスファルト混合物「レアブ」の試験販売を始めた。通常のアスファルト混合物に比べ、混合・施工温度を30度程度下げることができ、販売先からも上々の評判を得ているという。
 レアブは、オランダのバムヴェーゲン社と技術提携を結んで製造。4月に川崎合材工場(川崎市)に出荷装置を設置し、自社施工案件で試験練りと試験施工を行ってきた。
 前田道路では今回、『冷やし合材始めました。』と銘打ったポスターを制作し、周知活動を展開。猛暑の中での舗装工事という過酷な作業環境を少しでも改善してもらうため、通常の合材と同価格で販売した。レアブを使用した業者からは、「施工性も従来の混合物とそん色ない」「施工後も供用温度の50度以下まで早く温度低下し、交通解放できる」といった感想が寄せられている。
 レアブは、アスファルトの発泡・噴射設備をプラントに設置する機械方式の技術で製造している。中温化アスファルト混合物の製造に使う特殊添加剤の量は、従来の10分の1程度に減らせる。設備の初期投資はかかるが、添加剤の使用量が少なくて済み、ランニングコストを抑えられる。
 中温化アスファルト混合物は、工事現場の作業環境を改善するだけでなく、製造時の消費燃料を削減できることなどから、CO2排出量の抑制技術としても注目されている。ただ、事前審査の認定混合物ではないため、現在は配合設計の承認が必要になっており、舗装業界からは早急な認定を望む声も上がっている。

『アスファルト混合物の知識』 AmazonLink

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