2012/08/05

味スタを樹木使って壁面緑化 竹中工務店の「バーティカル・フォレスト」

味の素スタジアムに設置されたバーディカル・フォレスト
竹中工務店の壁面緑化技術「バーティカル・フォレスト」が、味の素スタジアム(東京都調布市)で全面的に採用された。緑化面積は約1450㎡で、武蔵野に自生する樹木32種が植えられている。これまでに5件の適用実績があるものの、ここまで大規模な採用は初めて。同社は今後、さまざまな方面に提案していく方針だ。

バーティカル・フォレストは、竹中工務店が2009年に開発した。草本類ではなく樹木を中心とした緑化技術で、世界的にも珍しい。既存施設の壁面に4層構造のパネルを設置し、表面パネルのポット部に樹木を植える仕組み。自動制御型のかん水装置も備えている。
同スタジアムへの適用は、東京都による改修工事の一環。緑化工事は、同社子会社の朝日興産が担当した。5つのサイズのパネルを制作し、窓や開口部を除いて緑化している。樹木は、シラカシ、シロダモ、ヒイラギなど32種類。樹種ごとの成長の違いを踏まえて配置を工夫し、季節の彩りを演出する落葉樹も3割程度植えた。
施工した壁面の表面温度を測定した結果、樹木による蒸散で温度上昇を抑制する効果を確認できた。
同スタジアムは来年、東京国体のメーン会場となり、敷地西側の補助競技場も使われる。今回の壁面緑化と、補助競技場の緑とを接続して「武蔵野の森」を形成する計画だ。

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