2015/05/13

【叙勲】マンホール浮上抑制技術を発明考案した一場駿氏が黄綬褒章を受章

シーエスエンジニアズの一場駿会長=写真=が、2015年春の褒章(文部科学省関係)で黄綬褒章を受章した。液状化によるマンホール浮上抑制技術の発明考案などの功績が評価されたもので、15日に東京都千代田区の如水会館で伝達式が行われる。

 一場氏は04年に発生した中越地震でマンホール浮上が多発し、支援活動などに支障を与えたことなどを問題視し、浮力に対し重量で対抗するシンプルな原理の「ハットリング工法」を考案。
 東日本大震災時、東北・浦安地方に敷設済みの約300基のハットリングは検証の結果、すべて所定の機能を発揮し、いつでも瞬時により確実な効果が得られる技術力を実証した。
 12年に日本発明振興協会の「発明大賞発明振興協会会長賞」、13年に科学技術分野の文部科学大臣表彰となる「科学技術賞技術部門」などを受賞。現在、中央工学校土木測量系兼任講師(下水道設計担当)として後進の指導にも力を注いでいる。
 一場氏は、維持管理が重視される時代を踏まえ「長期的に安心して使用できる確実性、有効性が問われている」と強調。経済的な設計から耐用年数を考慮した肉厚な構造に変化してきた橋梁の歴史を例に「下水道の歴史は比較的新しく、こうしたサイクルに達していないが今後の課題として検討すべき」と先を見据える。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【2015年を振り返る】担い手確保・育成への取り組み元年 品質確保と信頼回復への対応  2015年は、担い手3法の運用指針策定により、建設産業界にとって本格的な担い手確保・育成への取り組み元年の年だった。また、女性活躍推進、重点整備計画など新たなキーワードに基づく多様な人材活用や地域づくりが本格的に始まった年でもあった。ただ一方で、免震ゴムの性能や杭データ偽装といった、建築物の信頼を損なう問題も浮上、建設産業界にとって品質確保と信頼回復へ向けた対応が求められた1年でもあった。この1年の出来事を、重大ニュースとして振り返る。… Read More
  • 【建築】南陽市文化会館が「最大の木造コンサートホール」でギネス世界記録認定!  2015年9月に完成した山形県南陽市の市文化会館が、「最大の木造コンサートホール」としてギネス世界記録に認定された。構造体製作を担当したシェルター(山形市、木村一義代表取締役)が記録挑戦に申請していたもので、21日に公式認定証授与式が文化会館で開かれた=写真。  文化会館は、ホールの構造が完全な木造で、設置された座席数が最多の1403席あることなどから記録が認定された。 施設規模は、木造耐火一部RC造地下1階地上3階建て延べ6178㎡。… Read More
  • 【国交省】橋もダムも現場も見に行こう! インフラツアーの情報はこちらから  国土交通省は、全国のインフラツアーを紹介するポータルサイトを開設した。橋やダムなどのインフラを観光資源として活用する取り組みを推進するのが狙い。  ポータルサイトにはインフラツーリズムのパネルに加えて、各地方整備局などが主催する現場見学会や民間事業者が催行するインフラツアーなどの情報を掲載している。定期的に情報を更新するなど、最新情報を集約して掲載することでインフラツーリズムの推進に役立てる。サイトはこちら。 建設通信新聞の見本紙をご… Read More
  • 【電子ライブラリー】現場写真もイラストもフリーで使える!(まずは関係団体限定) 建設業振興基金  建設業振興基金は、建設業団体の広報活動に役立ててもらおうと、写真やイラストなどが著作権フリーで使える新コンテンツ「電子ライブラリー」を開設した。  立ち上げ段階では、工事現場の写真などを中心に約300点の素材を収録している。まずは建設産業人材確保・育成推進協議会の関係団体に利用を限定。ログインサイトにアクセスし、振興基金から送付されたユーザー名とパスワードを入力すれば利用できる。  建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら … Read More
  • 【水の天使】水インフラをPR! 須藤櫻子さんが石井国交相を表敬訪問  2016年度のミス日本「水の天使」に選ばれた須藤櫻子さんが10日、水インフラの発展に向けた活動開始を報告するため、石井啓一国土交通相を表敬訪問した=写真。「水の天使」は水インフラへの理解と関心を高めるイベントやPR活動を展開。日本の経験や技術を分かりやすく伝える役割などを担う。  立教大経営学部3年の須藤さんは「上下水道のことを勉強し、すごいポテンシャルがあることを知りました。世間に知られていない部分も多くあると思うので、積極的にPRを… Read More

0 コメント :

コメントを投稿