清水建設は測量会社の大浦工測(東京都北区)と共同で、土木構造物の鉄筋組立位置を高精度に表示できるシステムを開発し、実用化した。3Dレーザープロジェクターを活用した「バーポジション・インジケーター」は、レーザーが示す表示位置に沿って配筋していくことで精度を確保する。立体的な曲線を組み立てる場合などにも効果を発揮し、測量作業の工期や費用削減にも貢献する。清水建設は今後、総合評価入札などで提案していく。
これまで複雑な配筋の測量は手間取るケースが多かった。このため両社は、航空機の機体にイラストの外郭線を表示したり、建機に金具溶接位置を示す3Dレーザープロジェクターに着目し、新システムの開発を進めた。
システムは、鉄筋の組立位置をレーザー表示する3Dレーザープロジェクターと、レーザーを受信する被投影治具で構成。被投影治具は鉄筋への取り外しが容易で、レーザーの表示線と治具の基準線が重なると位置決めが終わる。
実際の作業では、鉄筋図はあらかじめ3Dレーザープロジェクター向けのデータに加工してプロジェクターに入力する。現場では、プロジェクターに自身の設置座標と組立予定の鉄筋を認識させる。プロジェクターに被投影治具を取り付け、レーザーを照射して鉄筋の位置決め作業を進めていく。レーザーの投影距離は10mで、一度設置すると100㎡強の範囲を対象に鉄筋の位置決め作業を実施できる。
東京都内の現場で行った実証施工では、組立精度の高さを確認できたほか、測量の工期と費用を約半分に削減できたという。清水建設は今後、総合評価入札の提案に折り込むなど、他社との差別化を進めていく考えだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年5月13日
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