2013/05/30

【復興技術】40社278技術を収録した復興技術検索システム 日建連が公開

日本建設業連合会(中村満義会長)の土木工事技術委員会環境技術部会は、東日本大震災からの復旧・復興で活用できる会員企業の技術情報を検索できるシステムを構築し、29日から日建連ホームページに掲載した。土木工事技術委員会の40社が保有する278技術を収録しており、技術分類やキーワード、実績件数などから検索できる。国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録していない技術や除染など新しい問題に対応する最新技術も掲載しており、被災地の発注機関などの活用を期待している。
 検索システムでは、掲載技術をがれき・土砂・廃棄物処理5分類、汚染物浄化3分類、構造物修復8分類、地盤補修・補強2分類、そのほか6分類の計24分類に分け、技術分類でも検索できる。検索結果には、技術の概要のほか、写真なども掲載し、求める技術を探しやすくしている。
 278技術のうち、構造物修復が168技術で最も多く(1技術で複数分野での活用可)、がれき・土砂・廃棄物処理が60技術、地盤補修補強47技術、汚染物浄化技術29技術などとなっている。放射線物質の除去も18技術を掲載した。
 今後、同委員会参加社以外の企業の技術も掲載を予定しており、必要に応じてデータを更新する。

◇会員企業の大震災取り組み事例掲載

 また、同部会は、東日本大震災における会員企業の取り組み事例55件を29日からホームページに掲載した。救援や機能回復など震災時の活動を掲載することで、今後、南海トラフ巨大地震などの発生が予想される自治体などが地域の防災対策を検討する際に活用することを期待している。また、一般の閲覧者にも震災時の会員の活動を伝えたい考えだ。
 事例は、救援や機能回復、新・増設、復興、そのほかの5分野。防潮堤の仮復旧や浄化センターの復旧工事、民間企業の工場の補強工事、省は正物質で汚染された震災廃棄物の洗浄、高架橋の応急復旧、プレハブ診療所の設置、航路の浚渫工事、鉄道の復旧工事、港内啓開など実際に実施した個別の復旧プロジェクトについて、活用した技術や効果、苦労した点、教訓、地元住民などの評価、改善点などを掲載している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年5月30日

Related Posts:

  • 【復興特別版】鎮魂と次世代へのメッセージ性重視 震災遺構有識者会議が報告書 震災の痕跡を残すことで、災害の記憶を後世に伝える震災遺構の取り扱いを議論してきた宮城県震災遺構有識者会議(座長・平川新宮城学院女子大学長)が報告書をまとめた。一度は町が解体を決めた『南三陸町防災対策庁舎』=写真、11年11月撮影=を「特段に高い保存価値がある」と評価するなど、沿岸7市町が候補に挙げた9施設いずれも保存する価値を認めた。委員の1人で建築家の松本純一郎氏(日本建築家協会東北支部災害復興支援委員長)は、「震災遺構の保存について、幅… Read More
  • 【復興現場最前線】木質ハイブリッド材で高い耐火・耐震実現する「森の庁舎」 福島県国見町新庁舎 震災で既存庁舎が使用不能となった福島県国見町の新庁舎建設工事が3月下旬の完成に向け、安藤ハザマ・安藤組・佐久間工業JVの施工で最盛期を迎えている。国内の庁舎で初めて木質ハイブリッド集成材が使用された新庁舎は、国土交通省の木造建築技術先導プロジェクトにも採択されている。震災と原発事故からの再生・復興のシンボル、耐火木造という公共建築の未来を先導する建物として期待される。  福島県中通り地方の最北に位置し、宮城県に接する国見町。国道4号沿いにあ… Read More
  • 【高田松原再生】ベターリビング支援で岩手県沿岸2㎞に松苗植樹へ ベターリビングは、震災による津波で流失した白砂青松の名勝地「高田松原」を復活させる取り組みを支援している。15日には東京・丸の内で岩手県陸前高田市や地元の「高田松原を守る会」などと「高田松原再生活動支援キックオフイベント」を開催。陸前高田市から招待した子どもたちと都内から一般参加した子どもたちが協力しながら、高田松原の再生を祈念した絵柄をもとに、色とりどりの花びらで5m四方の巨大な絵画を制作した=写真。  省エネ型ガス給湯・暖房機などの普及… Read More
  • 【復興特別版】2998mの唐丹第3トンネルが着工! 釜石市内へのアクセス円滑に 東北地方整備局が震災復興のリーディングプロジェクトとして整備を進めている三陸沿岸道路で2番目に長いトンネルとなる、唐丹第3トンネル工事の着工式が23日、岩手県釜石市唐丹町大曾根の現地で開かれた。今後、鹿島の施工で掘削工事が本格化する。  同工事は、三陸沿岸道路の一部をなす吉浜釜石道路の釜石南インターチェンジ(IC)~釜石ジャンクション(JCT)間で、長大トンネルと釜石南ICを築造する。 トンネルの概要は、長さ2998m。内空断面積は… Read More
  • 【3・11】東北地整の「災害初動期指揮心得」が電子書籍で無料ダウンロード可能に 「3・11」での過酷な災害対応をもとに国土交通省東北地方整備局がまとめた「東日本大震災の実体験に基づく、災害初動期指揮心得」がKindle版の電子書籍として世界中に発信される。通信販売サイトのAmazonの協力で9日から配信を開始。対象の各国において無料でダウンロード、閲覧できるようになる。国交省における「危機管理の教訓」が“生きた教材”として世界に広がることになりそうだ。  災害初動期指揮心得は、東日本大震災の実体験に基づいてまとめられ… Read More

0 コメント :

コメントを投稿