2013/05/03

【寺社建築】最近流行のチタン瓦 重さは本瓦の14分の1

社寺建築の耐震改修に合わせ、屋根瓦を粘土製からチタン製に変更する事例が目立ち始めた。清水建設が施工し、ことし3月に屋根の改修工事が完成した本願寺鹿児島別院(鹿児島市)もその1つ。ここでは、元旦ビューティ工業のチタン瓦「本瓦棒元旦84」が採用された。

本願寺鹿児島別院の屋根面積は約3000㎡。本瓦約4万枚がチタン製となり、屋根にかかる重さは14分の1に軽減されたという。素材となるチタンは神戸製鋼所によって特殊表面処理が施されており、濃淡を併せ持った数色の構成でいぶし本瓦の風合いを出している。
 注目すべきは、屋根の施工方法だ。通常は下(軒先側)から作業するのが一般的だが、元旦ビューティ工業では上(棟側)から下に葺く独自の施工技術「パッキング工法」を提案した。
 全面足場が必要なく、足場の重量による躯体への負担が少ない利点がある。作業時には屋根を汚したり、傷をつける心配もなく、施工品質も向上した。何よりも、土足で屋根を踏まないことが施主からの評価につながったという。本願寺鹿児島別院には元旦ビューティ工業のチタン瓦が採用された
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年5月1日

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