2013/05/23

【情報化施工】対応重機が集結 東北復興に生かせ!-岩沼講習会ルポ-1-

宮城県岩沼市の仙台空港近くにあるキャタピラー東北岩沼研修センター。ここは、2年前まで建機の教習所があった場所で、津波で流された教習センターの基礎が生々しく残る。5月16、17日の2日間、この場所で「災害復興に役立つ情報化施工講習会」が開かれた。国土交通省東北、関東両地方整備局から22人、東北6県で工事を行う建設会社などから約50社100人が2日間の講習を受けた。
 講習会に携わったスタッフは約70人。日本建設機械施工協会(JCMA)、土木研究所、建機、測量機器メーカー、施工会社、ソフトベンダー、レンタル会社などから有志で名乗りを上げたメンバーが、半年以上の準備期間を経て開催までこぎ着けた。
 初日早朝の朝礼で、国土交通省の情報化施工推進会議の委員も務める植木睦央JCMA情報化施工委員会委員長は「日本の情報化施工にかかわるトップランナーたちが、手弁当で集まったのが“復興ワーキンググループ(WG)"だ。この2日間、メンバーならではの良さを発揮しよう」と、全員に声を掛けた。

◇トップランナーそろう

 岩沼の会場に持ち込まれた情報化施工対応重機は、20tクラスのバックホウ3台、10tクラスのブルドーザー2台、3-5tクラスのミニバックホウ3台などだ。GPS(全地球測位システム)固定局、それに出来形管理用のトータルステーション(TS)も持ち込まれた。
 重機は、キャタピラー、コマツ、日立建機、それにアクティオ、カナモト、西尾レントオールなどがそれぞれ会場に搬入した。トプコン、ニコン・トリンブル、ライカジオシステムズなどは3次元、2次元の対応機器を重機に取り付けた。
 また、情報化機器に不可欠なデータ処理や衛星補正情報などを取り扱う、建設システム、ジェノバ、福井コンピュータなどのソフト会社も参画した。そのほか鹿島道路なども参加、各会社は、情報化施工のトップランナーだ。
 日ごろはライバルとして営業している各社が、この講習会では1つの目標に向かって協力する体制も大きな特徴だ。
 復興工事が本格化している東北の地で、品質とスピード、利益確保が両立できる情報化施工技術を知ってもらいたい、というWGメンバーの意志が具体化した。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年5月23日

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