2013/05/08

【一夜城作戦】97mの長大橋梁鋼製アーチを一括架設! 広島南道路で

清水建設は3日、同社施工の広島南道路太田川工区橋りょう新設工事の鋼製アーチ一括架設を公開した。作業台船で水上輸送した長さ97m、幅2.5m、重量475tの鋼製アーチを橋脚上に架設する「一夜城作戦」を展開。公開日は近隣住民や親子連れなど多くの見学者が訪れた。壮大な現場を前に、見学者はカメラなどを手に熱心に作業を見守った。

◇鋼製アーチでコンクリート桁を吊る

 同橋は、太田川放水路の河口付近で施工している。6径間のうち、河川中央部を跨ぐ2径間は径間長が116mと長く、かつ背後の山並みとの連続性を表現するデザイン上の目的から2基の鋼製アーチからコンクリート製橋桁ケーブルで吊る構造が採用されている。
 鋼製アーチは、11分割し約5カ月で製作、三菱重工鉄鋼エンジニアリング江波工場での地組作業を含め約8カ月の製作日数を要した。作業は、前日の2日に最大高さ約18mの架台上に鋼製アーチを搭載した作業台船が江波の岸壁を出船し、到着後、現場に停泊し翌日の作業に備えた。

◇17日に2基目を設置

 当日は、正午から準備作業を開始し、2時間程度かけて台船を移動させ、鋼製アーチを架設位置に合わせた後、架台を約2.5mジャッキダウンさせてアーチ両端を取付部に合わせ。200本ものボルトで結合した。17日には、2基目の鋼製アーチを一括架設し、一連の一夜城作戦を終了する。
 広島市発注の同工事は、全長23.3㎞の広島南道路の一部となる長さ412mの鋼・コンクリート複合アーチ橋。下部工・橋脚5基(鋼管矢板基礎径1200mm、197本、鋼管杭径1000mm、24本)、橋台1基(場所打ち杭径1200mm、20本)、上部工・プレストレストコンクリート箱桁長さ412m(6径間)、最大支間長116m、アーチ主構製作架設・97m×2基(重量合計1107t、アンカー部含む)。工事場所は広島市西区観音新町4、庚午南1、扇1。
 設計は国際コンペで最優秀作品に選ばれたエイト日本技術開発が担当した。昨年9月末から工事着手し、12月27日までの工期で作業を進めている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年5月8日

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